i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

三度の飯より

昨夜はありがたいことに、知人からのご招待をうけ、パリ管弦楽団のコンサートへ行ってきた。

 

夜20時半からの開演だったのだが、知人と約束があったため20時には会場前にいかねばならず、学校の後、宿題や楽器の練習を終わらせた子供達とともに18時半ごろに家を出た。

18時半からの外出となると夕食時間と被るので、子供達がコンサート中にお腹がすかないように、夕食を早めに家で食べてから家を出発しようかと考えていたのだが、昼御飯がわりと遅めになってしまったため、夕方に夜ご飯が入るほどお腹もすいておらず、結局、チョコだの小さなマフィンだのをおやつにつまんだだけで家を出ることになった。

地下鉄でコンサート会場まで向かいながら、

『あー、お腹すいたかもー。』

と息子がぼやいた。

『ええ!??もうっ!?』

と、私はびっくりしたものの、最近しっかり者の娘はそんなこともあろうかと飴を少しもってきており、彼女は息子に飴をひとつあげて黙らせた。

 

一時間ほど地下鉄を乗り継ぎ、コンサート会場の最寄りの駅に着くと、小雨が降っていた。辺りはすっかり日も落ち暗くなっており視界が悪く、いつもなら少し離れて見えるコンサートホールが見えにくいほどだった。

地下鉄の階段を上がってすぐに、

『うげー、雨やん!』

と、私&娘がぼやくなか、一人明らかにおかしなテンションの人がいた。

息子だ。

彼は、階段を上がりきるや、ソワソワソワソワしだし、コンサート会場のほうへ一人走りだした。負けじと娘が追いかけていき、

『先にいくなー!!はぐれるからー!!』

とキレる私。

きつめの口調にしただけあって、すんなり二人は止まってくれ、あらためて3人でコンサートホールをめざした。

待ち合わせ場所にいくと、招待をしてくれた知人の他にも知っている人たちが来ていて、聞くところによると同じように招かれたとのこと。子供たちも大好きな人達だったので、娘&息子も大喜びとなり、一緒に皆でコンサートの会場へと向かった。

エントランスに入りセキュリティのチェックを受け開演前にお手洗いに向かった。開演前ということと、自分の好きな人間だらけということで、息子のテンションがマックスだった。とにもかくにも落ち着かずソワソワソワソワうろうろうろうろ時にささーっと走りだしたり、もはや、お天気のいい日に広い公園へ連れて来てもらえた子犬のようだった。あまりのソワソワ具合に、コンサートホールへ入るため係員の人にチケットを見せていると、振りかえると息子がいなくなっていた。一緒にいた知人が

『あ、○○さん達とバーに行ったから大丈夫よ。』

とのこと。

(バーですと??私もいきたかったですけど!)

と、思いつつも直ぐにバーのあった方へ息子を探しに行き無事捕獲した。捕獲したものの彼のご機嫌テンションはかわらず、そんな彼の相手に疲れたせいか、着席するころには私のお腹はすっかり空っぽとなっていた。

20時半から演奏がはじまり23時前までの約二時間半、さっきまで走りまわってた息子は人が変わったかのように演奏を聴いていた。さすが、以前にそのコンサートホールに来た時に

『ここに住みたいっ!!』

と豪語するだけはあった。やはり、自他共に認める音楽バカだと改めて実感した。

演奏後半で日中の学校疲れからか所々寝てしまっていた娘に相対し、終始変わることなく舞台をひたすら見つめる息子の姿が私にとっては舞台にいる演奏者の方々よりも気になってしょうがなかった。この異常なまでの集中力が授業中にも出ればいいのに…と、何度となく思ってしまったが、それは思ったところでどうこうなるはずもないということは10年もヤツの母をしてるとさすがに私も理解しているので、二時間半の演奏中、私は己の空腹に耐えながら嬉しそうに舞台を見つめる息子を見ながらコンサートを楽しんだ。

コンサートが終わり知人にお礼とお別れの挨拶をして帰路についた。

家に帰ると午前0時をまわっていて、子供たちは着替えてすぐさま眠りについたのだが、お腹がすいていた私は深夜一人でサンドイッチを食べた。食べながら、ここ最近『お腹すいた』『ご飯まだ?』『ご飯なに?』と、やたらうるさいくらいに食事を楽しみにしている息子が、よく考えると今夜は飴玉1個しか食べていないという事実に気がついた。

三度の飯よりなんとやらとはよく言ったもんだど、空腹を忘れるくらいの息子の音楽狂っぷりにある種の感動を覚えた。

一体誰に似たのやら……

 


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