春暁
立春を過ぎたので、今朝のわたしの気分を春にちなんだ漢詩と掛けて表してみることにした。
春 眠 不 覚 暁 (しゅんみんあかつきをおぼえず)
訳【春の眠りは心地がよくて、夜が明けるのも気づかないほどである】
『母コメント : 立春を過ぎたというのになんたる寒さ。夜が明けたどうこうなど知る以前に、暖かな布団の温度が離れがたくて起きるのがつらい。』
処 処 聞 啼 鳥 (しょしょていちょうをきく)
訳【あちらこちらから鳥のさえずりが聞こえてきます】
『母コメ : 鳥のさえずりは聞こえませんが、朝の弱い母が寝坊しないようにと娘がしかけたトラップ、7時半、8時、8時半と30分間隔で鳴り響くi-Padのアラームが娘を見送って二度寝しようとする母を妨害する。』
夜 来 風 雨 声 (やらいふううのこえ)
訳【そういえば昨夜は風雨の音がしていた】
『母コメ : 雨風の音はさほど気にならずとも、夜遅くにかえってきた主人が何やらオヤツをたべながらゲームをしていた様子は眠いながら気になって気になって…。』
花 落 知 多 少
(はなおつることしるたしょう)
訳【いったいどれほどの花が散ったことでしょうか】
『母コメ : 朝起きると、ポテチ二種とコーラ(大)が一本空いていた。うちのご主人はいったいどれほどジャンクフードが好きなんだろうか。我が家のおやつ消費量は半分以上主人からだろう。』
と、こんな風に日記に漢詩なんぞを持ち出すと、さも文学に詳しい人間かのようだが、誤解のないように記しておくと、けして私は文系の人間ではない。ただ
『春眠不覚暁~春眠暁を覚えず~』
この一文だけをこよなく愛している。
こんなにも朝の起きれなさを全肯定し大義名分かのようにいてくれる文章は他にないはず。毎年この時期になると何度となく思い出す一文である。書いた人(孟浩然という方らしい)とは心底気が会うだろうと思う。
しかし、娘によってこっそり仕掛けられるiPadアラームの頻度と音量が最近大きくなってきているので、いい加減そろそろしっかりしないと娘に怒られそうなので、生活リズムを正すべく、早寝早起き朝方体質を目指そうかと思う。
暖かくなるころには早起きできる爽やかな母になれますように。
参考 : 中国漢詩『春暁』孟浩然