i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

Trick or Trick !!


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娘がキャンプへ行ってしまった。

 

少し前に、仲良くしてくださっているご家族から

『秋のバカンス中の10月31日から三泊四日でキャンプに行くのだけど、もう一人分寝袋もあるから一虎さんちのお嬢さん一緒にいきませんか?』

と、有難いお誘いをいただいたのだ。

勿論、外遊び大好きな我が娘は二つ返事でお受けした。

 

出発前日、誘ってくださった御一家から翌日に控えたキャンプに関しメッセージが入った。

『明日はハロウィンなのでキャンプ場でハロウィンパーティーもあるようなので、よければ仮装の用意も持ってきてください。あと、明日のお昼ご飯はサンドイッチか何かを持ってきてもらえるよう、お願いします。』

と。

すぐに娘に

『ハロウィンパーティーするから仮装したかったら、何か持ってきてって~』

と伝えると、

『んんん……荷物増えるの嫌やしいいよー。』

との返事。

『!?』

正直、ハロウィンの当日にキャンプ場でキャンプして、みんなでハロウィンパーティーができるなんて、なんて楽しそうな企画だと、羨ましくてしょうがなかった母としては、仮装も何も持っていかないという彼女の意見は予想外だった。

『え?マスク(仮面)くらいもってったら?』

『え~いいよ~。』

『………。』

またしても納得のいかない反応だったのだが、このまま娘に進言しても意味をなさないだろうと、私は娘にそれ以上は何も言わなかった。

 

キャンプ当日の朝。

大人気もなければ諦めも悪い私は、朝からバタバタと出かける用意をしている娘の隙をつき、大きなスポーツバックにおばけマスクを詰め込んだ。「よしよし、してやったり。ニヤリ」な私はそれから直ぐに台所へ戻り、娘がキャンプへ持って行くおにぎり作りにとりかった。

夜ご飯にバーベキューをするだろうし、持っていく昼御飯は軽めでいいと聞いていたので、卵焼き入り鮭おにぎり(鮭フレークの混ざったご飯の真ん中に卵焼きを詰めて握った)とプチトマトくらいしか用意せず、あっという間に出来上がってしまった。そこでふと、バタバタと動く娘を見て、おかしいことに気づいた。

「今、あれだけ動いて荷物を詰め込んでるってことは、カバンの中のマスクに気づかれてるんじゃ、、、」

そう思った私は、またしても隙をついて娘のスポーツバックに近づいた。そして、ついさっきマスクを詰め込んだ辺りに手をいれた。なんと、マスクが手に触れない!すぐに元々マスクを入れてあったオモチャの引き出しの中を確認にいくと、さっきまでスポーツバックにいてたはずのマスクがそこにあった。

母のささやかな気遣い(イタズラ)を阻止しようとはいい度胸だと、私はさらにむきになった。コソッと再びマスクを手にした私はそのまま娘に見つからないように台所へ行った。さらに、携帯電話も準備してから、見つからないように

『二人とも、歯磨きした?あとちょっとで(家から)出るし、ママももうすぐしたら洗面所使いたいから、今、歯磨きしてしまって!』

と、台所に近づかないように娘&息子を上手く誘導。

そして、私は再び台所にて娘のおにぎり弁当作りへととりかかった…。

 

 

~母の愛情たっぷりハロウィン弁当の作り方~

 

①出来上がったおにぎりとプチトマトをそれぞれジップロックへ入れる。
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②風呂敷を用意する。

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③ ②の風呂敷の上にマスクを下に向けておく。
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④  ③のマスクに①の料理を詰める。f:id:i-chi-tora:20191101232115j:image

⑤マスクの布で丁寧に料理を隠す。f:id:i-chi-tora:20191101232130j:image

※反対側はこうなる。f:id:i-chi-tora:20191101232845j:image

⑥  ⑤をさらに風呂敷でつつみ完成。
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我ながら名案だった。

クック◯ッドの皆様にもびっくりされるくらいの新しいキャラ弁の仕上がりだと自負しつつ、歯磨きが終わった娘のもとへ、マスク弁当を持っていった。

『これ、お昼ご飯のおにぎり。プチトマトも入れといたから。』

『ああ、ありがとう。』

風呂敷の中がどうなっているかなど全く疑いもしない娘。笑いを堪えながら、しれーっと

『こっちの小さい方のカバンに入れとくから。』

と言い、娘のカバンの底に丁寧にマスク弁当を入れた。

『うん。そっちにいれといてくれていいよ。』

娘の返事に、私は完全勝利の安堵を覚えたのだった。

友人一家との待ち合わせの時間がせまり、娘と息子と私は上着を着て家を後にした。待ち合わせの場所は家から徒歩10分もしない所だった。その道すがら、おもむろに娘が、

『そういや、このカバンにつっこんでたマスク見つけたしな。オモチャのとこに戻しといたから。』

と、大きなスポーツバックに手をおきながら言ってきた。「この正直者め。」と思いながら、

『ええ、そうなん!?使うと思って折角いれといたのに~。』

と返すと、

『バレバレやったしな。』

と、母のことなどお見通しだという顔をしながら笑われた。

『あああ、ばれたかあ~。』

と残念がりながら、私はマスク弁当の入ってあるカバンに目をやっては、心の中で笑い転げていた。

 

そして、娘は友人一家と無事に合流し、マスク弁当を携えてキャンプへと向かっていったのである。お昼ご飯を食べる時、どれ程驚いてくれるだろうかと、私は楽しくて仕方がなかった。

 

あれから、およそ2日が経過するも娘から一切の連絡なし。一緒にいる方々からは写真やらが送られてくるというのに、携帯にメッセージを送るも無反応。既読すらつかない。息子いわく、

『どうせ、また飛行機モードやねんで。』

とのこと。

私としては、

『下手に反応したらママが調子のるだけやわ、、、。』

と呆れきっての音信不通ではないかとも思っている。

 

 

trick or treat ?

いえいえ、お菓子があれどもイタズラします。

はてさて、帰ってきて何と言われるかが楽しみだ。