子供たちもサンタクロース
我が家では、クリスマスのプレゼントといえば、サンタさんから子どもたちへのプレゼントだけではない。
いつからだったか、毎日頑張って仕事にいってくれているのにパパにサンタが来ないのはかわいそうだということで、クリスマスには子供たちがサンタクロースの真似事をしてこっそり主人の枕元にプレゼントを置くようになったのだ。今年も娘&息子と例年のごとく、主人へのプレゼントを探しにいった。
いよいよクリスマスイブも翌日と控えた昨日、街はクリスマス準備の人の波がピークに達していた。歩きにくいと思うくらいどこへ行ってもすごい人混みで落ち着かない。そんな中、またしてもプレゼントが決まらず娘&息子&私の三人は人の多さに疲れが出てきていた。
『ちょっと、一旦ここから出よう。』
と、提案してプレゼント探しを中断して先にスーパーへクリスマスのご馳走の材料を買いに行くことにした。
クリスマス直前ということで、いつものスーパーのラインナップもフォアグラやシャンパン、丸焼き用の鶏類といったクリスマスパーティー用の食材が数多く並んでいた。そんなスーパーもやはり人でごった返していたのだが、予め何を買うか決めていた我々は、一刻も早くその人混みから抜け出ようと、人を避けながらさくさくと買い物を進めた。
次々に買い物かごへご馳走の材料を入れていきながら、こんなにたくさん持てるだろうかと、かごの重さが辛くなってきた頃、娘が
『ママ!見て見て!ほら!』
と、お肉コーナーの端にあった冷蔵庫内を指差した。
『ええ!!?』『ええ!?』
と私も息子も驚き、その食材を冷蔵庫から取り出してみた。
箱の裏に貼ってあるラベルを確認し、どうやら本物のようだと三人で驚いた。驚きの中、誰が言い出したか、
『これ、パパのプレゼントにしたらいいやん!』
と意見が出た。枕元へは置けまいが代わりに手紙を置いて、冷蔵庫にプレゼントがあると書いて置けばいいかと、全員一致で、それはいい!名案!バッチリだ!と決まり、買い物かごへそれを一つだけ入れた。それから残りの買い物リストに書かれていた食材を探しまわり、お会計へとレジの列に並んだ。
日本のスーパーと違い、フランスの大体のスーパーにおいて、客が買う商品をかごから出してお会計レジの手間に並べていかなければならない。私たち三人も溢れんばかりの食材をかごから取り出し、順番にレジ台に並べていった。前の人の会計が済み、我々の順番が来て次々と商品がスキャンされていった。すると、我々の後ろに並んでいた初老のムッシュ(フランス人男性)が
『ええ!?これはおいしいのか!!?』
と、レジ台にある主人へのプレゼントを指して驚きながら聞いてきた。さらに、その後ろにいたマダムまでも
『えー。日本人はこんなのも食べるのか?』とか
『日本にもこれはその辺にいてたりするの?』
と聞いてきた。
レジの店員さんもスキャンしようとその商品を手にとり、まじまじみながら
『本物ねー。初めて見たわ!おいしいの?』
と尋ねてきた。
もちろん我々三人は
『そんなの見たのもはじめてだ!』
『日本で食べない!ってか、聞いたこともない!』
『我々も食べたことがない!』
『日本でも、その辺に普通に生息してることはない!』
と、笑いながら答え、最終的に
『それは料理人である主人へのクリスマスプレゼントです。』
と伝えると、盛り上がっていた三人のフランス人は
『あー!なるほど!!』と笑いながら納得していた。
お会計が済み、鞄に商品を積めてから去り際に、後ろの三人のフランス人へ向かって
『ありがとう!さようなら!ステキなクリスマスを!!』
と言うと三人が口々に、
『さようなら!良いクリスマスを!』
『そして、ステキなワニ料理を!!』
と叫んでくれた。
笑いながら、三人でお礼を行ってスーパーを後にした。
Crocodile(クロコディル) = 意味 : ワニ
主人への今年のクリスマスプレゼントはワニの肉となりました。
喜んでくれますように。
皆様、メリークリスマス
素敵なクリスマスを☆