i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

幸せなる数日間の終わりと代償

月曜の朝、過酷なる約束(自業自得)を何とか終わらせ、子供たちが学校へ行った後の静かな部屋で胃痛と二日酔いで半死んでいた。そのまま一日ゆっくりと休み、胃に優しいものを食べてダラけておければよかったのだが、曜日がわるかった。

月曜日。ありがたくも連日馬車馬のよ…いや、ワーカホリックと化し働いてくれている我が主人の貴重なお休みとなる曜日だった。毎週月曜日だけが休日となる彼を含め家族みんなでお祝いできるようにと、いつからか我が家で行われる家族の誕生日会は月曜日に行われることになっていたのだ。そう、こんな朝からグダグダで死にかけているのに、なんとこの日は誕生日会4日目と決定していたのだ。

 

午前中、主人が眠る壁の反対側にて、多量に水やお湯を飲み、大正漢方胃腸薬を飲み、ヘパリーゼを飲み、横になったりと、何とかして午後には復活せねばと抗った私。しかし、思うように回復はせず気持ち悪さとフラフラと胃痛が続いた。お昼過ぎになり起きてきた彼と、今日はどうするかと平然を装いながら話し合った。夕食は息子のリクエストに応え近所のクレープ屋さんに行くとしても、息子へのプレゼントを決めてはいたもののまだ買っていなかった我々。挙句にケーキも買っていなかったので、悪天候も考慮し、主人がプレゼントを買いに行き、私がケーキを買いに行くこととなった。正直どちらもお願いしたかったのだが、なんせ100%自業自得の体調不良。申し訳なく言い出せず、フラフラになりながら予定していたケーキ屋さんへ向かった。

しかし、なんとお目当てのケーキ屋さんへ着くと閉店していて店が跡形もなくなっていたのだ。雨の中、元ケーキ屋の前で呆然となりながら、何とかして地下鉄に乗らずして最短で行けるケーキ屋を頭の中で探し、近くにラデュレと呼ばれるフランスの誇る高級ケーキ屋さんがあったことを思い出した。予算的にはオーバーであったが、私の移動可能圏内とゆうことで、一瞬だけ悩んだもののすぐさまその近くのラデュレへ向かった。ラデュレに着き店内にあるショーケースをみるもホールのケーキがなかったので仕方なく小さいケーキを4種類買って帰った。

無事にミッションをクリアした私に続き、主人も予定していたプレゼントをゲットできた様子で帰ってきた。それから子供たちが帰宅後、娘&息子&主人でスイッチという任天堂のテレビゲーム大会となった。私はというと、だいぶ回復してはいたもののやはり調子が悪かったので参加せずに横で様子を見ていた。そろそろ夕食の時間となったので、ゲームを止めて近所のクレープ屋さんへ向かった。そのクレープ屋さんはここしばらく来てはいなかったものの、我が家のお気に入りのお店の一つだった。そば粉を使ったガレットと呼ばれるクレープにチーズやハムなど様々な食材と合わせたメニューが豊富ににあり、安くて、おまけに店員さんも優しく、我が家はすっかり常連さんと化していたのだ。クレープ屋さんの店内に入り席に着くと、気さくな店員さんが優しく出迎えてくれた。そして、いつものようにサービスだと大人に甘めの食前酒、子供にノンアルコールのカクテル風おしゃれジュースを出してくれた。いつもならありがたいのだが、なんせこちらは、二日酔い胃痛中。正直おかゆが食べたいレベルだった。しかし、私はそれを飲んだ。なぜなら、何を隠そう我が主人はアルコールが飲めない人間なのだ。せっかくいつも気にかけてくれサービスをしてくれているのに、二人とも手つかずとは申し訳がない。そう、私は気合いを入れてありがたく2杯とも飲み干したのだ。このままでは、胃が悪くなる一方だと、なるべくサラダっぽいクレープを選んだのだが、メニュー選びに悩んでいるときに

『このカレー風味のチキンのやつもおいしいよなー、前に来た時も悩んで頼むのやめたんよな』

とゆってしまったがため、何を思ったか普段は気の利くタイプではない旦那さんがメニューを頼むときに、各自の注文以外に

『あと、カレー風味のチキンサラダを一つ、取り分けて食べるからお願いします。』

と、私が美味しいと言ったクレープと同系統のガッツリこってりのサラダを頼んでくれたのだ。


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『サラダにして分けたらちょうど良くない?』

と聞いてくれるこの悪意0の若干ずれた気遣いに息子と同じ血を感じた瞬間だった。何とか必死の思いで食べきり、お勘定を終え店を出ようとすると、いつもの気さくな店員さんが『みんなに飴をあげるよ。』とさらに追い打…ではなくサービスとして飴を片手一杯にくれた。もはや私は飴玉一つすら入る余地がなかった。

 

帰宅してから、私は胃の重さに耐えつつ、ほかの三人の様子を横になりながらだらだらと見ていた。すると、息子がおもむろに『誕生日プレゼントほしい!!』と言い出したので、主人が『よし、やろう』と隠してあったプレゼントを出してきた。調子が悪くぼんやり見ていると、主人が

『このタオルをかぶって目隠しをして、ここに並べてあるやつから3つだけとっていいよ。それがプレゼントな。』

と息子にいいながら、彼にタオルをかぶせた。

(待て待て、なんでそんなにいっぱいある???)と思いのぞき込むと、息子のリクエストしていたプレゼントが未包装値段付きとはいえ種類別で5つも買われていたのだ。彼の性格上ありえることかと、ほほえましく傍観しようとしていたのだが、急に娘が笑い出した。娘の目線の先を見て、おもわず

『えええ!!?ちょっと!!』

と叫んでしまう私。


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目隠し手探りでプレゼントを物色する息子の手元に、よくみると新品の髭剃りの替え刃の箱(Gillette)が混ざっていた。うちの主人はたまにやたらと子供たちに嫌がらせをしたくなる悪癖があるのだが、まさにその悪癖が発動していたのだ。娘はおこぼれをもらえるかもと、弟がGilletteをとることを祈りつつ見届け、主人は息子の手を取りGilletteへと向かわせようとしていた。せっかくの誕生日になにを馬鹿なことをしているのだと平時なら制止しただろうが、そんな気力もなく、なんだかよくわからないカオスな誕生日プレゼントの贈与儀式を息子が勝つよう静かに見届けた。さすがの息子。おかしな父親に対し、すでに防衛本能を備えていたため、自分が頼んでたプレゼントにあり得る大きさ以外は選択せず、一番大きかったプレゼントは逃したものの見事にGilletteを回避し、欲しかったプレゼントをゲットしたのだ。その後、結局は娘&息子&父の3人で仲良くGillette以外のプレゼントを開けて遊んでいたのがほほえましかった。

それからしばらくして、夜も遅くなったと、急いでバースデーケーキを出した。4つ買ったケーキのうちチョコが好きな息子は唯一あったチョコケーキを選び、ろうそくを立てようとした。しかし、上面が固いのでろうそくが刺さらないといい、ケーキを倒してから、ろうそくを10本たてた。


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ラデュレに謝れと言いたくなるような草間弥生的バースデーケーキが完成し、またしてもまとまらないバースデーソングを歌い、母はケーキの大半を残して、無事に4日目の誕生日会を終了したのだった。

 

いうまでもなく、その翌日の母は胃痛におそわれた。何もたべたくもなく一食もしなかった。おまけに、積もり積もってた作業におわれ、眠りについたのが深夜遅くなったのだ。エネルギー切れ深夜就寝により、かろうじて7時半の娘の登校は彼女が起こしてくれたおかげで見送れたのだが、うっかりそこから二度寝をしてしまったのだ。結果、8時37分なんて数字を蒼白しながら息子と共に目に焼き付けることとなったのだ。

 

胃痛あり二日酔いあり遅刻ありな幸せな数日間

 

息子を想ってくれた方々に感謝を

メルシーボクー