i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

クリスマスの反省


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クリスマスの朝、ツリーの横で木箱に入ったプレゼントを見ながら喜んでいると、すぐ横にいた子供達が何やらもめだした。

息子『そっちのほうがいい!!ゼルダ(スイッチのソフト)は嫌や!コントローラーのほうがいい!!ゼルダは嫌だ!絶対コントローラー!!』

娘『はあ!?なにそれ?そんなんずるいわ!!じゃあ、私もコントローラー!!』

との主張が続いた。

プレゼントに宛名を書いていなかったが為に、どちらのプレゼントがいいと折り合いがつかず喧嘩が勃発してしまったのだ。宛名が書かれていないなら二人で仲良くどっちも使って遊んだらいいと説明するも、二人とも意固地になって聞き入れずクリスマスの朝だというのにギャーギャーと言い合う始末。いくら二人で使えと言っても聞かず、だんだんムカついてきて、

『仲良くしないなら、両方つかうな!!』

『クリスマスに怒ってるようなやつらにプレゼントはいらん!!!』

とぶちギレる母。密かに、それだと私もプレゼントの日本酒が貰えなくなるのだがと、己の言ってる矛盾に子供達が気づかないよう願いながらキレていたのだが、そんなことには気づかない我が子達。よしよし、と思いながら怖い顔を続けていると、半泣きになりながら黙って困っている息子をよそに、娘がついに逆ギレを始めた。

『じゃあ、もういいわ!!サンタさんのプレゼントなしでいいよ!!これ(プレゼント)、捨てたら!!?』

と私に向かって言い放った。このばちあたりがぁっ!!と思い、いよいよ本ギレの母。クリスマスの朝だというのに全開の母娘戦争が勃発、もはやどうしていいかわからない息子は蚊帳の外となった。母娘は言い合いで解決することなく険悪ムードへと突入した。

しかし、おかしなものでかつての敵は共通の敵ができるやいなや、味方へと様変わり。気付けば、母 vs 娘&息子。さらに、遅くに起きてきてプレゼントのワニ肉を見つけてご機嫌な主人が登場。そんな主人が子供達二人に、

『まあまあ。仲良くしたら2人で2つ使えるんやしさ。』

と軽く声をかけたことで、さらに素直になりだし不自然なまでに仲良くしだす娘&息子。普段はしないトランプを仲良く二人で始めたり、冗談を言い合っていた。暫くして、ほとぼりが冷めたかとチラチラとこちらにご機嫌伺いに絡んできたりする小さい策士達に、まだまだ甘いと言わんばかりに頑なに

『仲良くできるようになるまで、プレゼントは片付けておく。』

と、言い続ける母。

『わかってるよ~。』

と、そんなつもりじゃないですよ。という顔をしながらも、ジワジワとアピールを続け、接点となるスイッチの話を徐々に母へと振ってくる娘。さすがにせっかくのクリスマスに一日中キレているわけにもいかないと、徐々にこちらも緩和体制に入り、しばらくして母娘戦争は終了した。

 

戦争が終了すると家族四人でテレビの前に集まり、娘が新しいコントローラーを使い【ゼルダの伝説】のゲームをスタートさせた。どんなものかとワクワクしながらテレビ画面を見ていると私の横にいた息子が名探偵コナンの漫画を読みだした。やたらと顔に漫画を近づけている息子が気になり暫く観察していると、彼が漫画を読むために漫画を持っていないことが判明した。彼は漫画に隠れながらホラー映画を見るような眼差しをテレビ画面へとむけていた。

マ(私)『こわい?』

息子『うん。むり。』

テレビ画面では、ゲームの主人公がさわやかな草原を走っているだけだった。

息子『もうやめよ。むり。』

マ『いや、なにも怖くないで。ほら。走ってるだけで、敵もないで。』

息子『いや…でも…』

とひたすらにおびえる息子。

ついこの間、友達の家でもやってただろうに何故にここまで怖がるかと思いながら

『大丈夫やって。お化け出たりとかじゃないから。』

となだめながら、一緒にゲームを再び見だした。

【ゼルダの伝説】というゲームは一人の青年が草原や林をさまよったり崖を上ったり水中を泳いだりと色々なアクションをしながら、時折現れる敵を武器でやっつけたりして冒険をしていくゲームなのだが、最初のうちは敵も少なくそれほど難しい操作が要るわけでもない。しかしながら、そんなゲームでもゲーム初心者が操作していると、敵もいない場面だろうと、うっかり操作ミスをして主人公が足を滑らせて谷底へ落ちていってしまうといったことも起こる得るのだ。

昨日、まさにそんな風に娘が操作ミスをして主人公が崖から落ちて行ってしまったのだ。ゲームの主人公が崖から滑った瞬間

『うわあぁーーーー!!!』

と、落下に恐怖する声がテレビからではなく横にいた息子から発せられた。びっくりした残り三人は瞬時に息子を見てしまった。

『……あーーこわかった!』

と呟く息子。彼は完全にゲームの主人公に同化していたのだ。それからも主人公がダメージを食らったり落下したり岩に挟まったりするごとに息子から

『うわあぁぁぁ!』とか

『あああぁぁぁぁ!!』とか

『んーーーーーー!!!』とか

尋常じゃない悲鳴が発せられるので、そのたびに我々は息子を見ずにはいられなかった。

さすがに気の毒になり、そろそろ止めておこうと三人で協議の末、初日のゼルダの冒険を終了した。テレビの電源が切れるとおもむろに息子が

『できるだけゼルダはやらないでほしい。』

『もしも、夜中にママとパパがゼルダをしたいなら、絶対に音は切ってやってな。』

『あと、来年のクリスマスプレゼントはゼルダの入ってないスイッチ本体が欲しい…』

と懇願に来た。

よそ様のお宅ならまだしも、自宅のスイッチ本体がゼルダの世界に通じているのが許せないとのこと。

 

そこまでゼルダが嫌だったのか……

と、朝から戦争を起こした母娘はもう少し彼の話を聞くべきだったと反省した。

 

何とも大騒ぎな1日となったクリスマスだった。

 

 

気持ちを切り替え年末年始に挑むとしよう。