バナナとトマト
今はまだ、11月の8日であってほしかった…
うっかりほろ酔いでお風呂に入りだらけたおかげで、9日になってしまった。
11月9日。私の誕生日である。嬉しい反面、昨日書いてた日記が下書きのまま終わっていることを悔いてしまう。そう昨日、まだお昼間のうちに日記の大半を書いていたのだ。
内容は、ブログというものを書きはじめてからのこの10日間を振り返った私の感想、考えだった。めずらしくも、娘&息子の愚行奇行を書かずして真面目に取り組んでいたのだが、どうしても仕上がりきらなかった。
原因はわかっている。ここ数日間、私の脳内でぐるぐる回っている息子からの一つの質問のせいだ。
2、3日前だったか、娘&息子が学校から帰宅してから、3人で一緒におやつにバナナケーキを食べた。その後、いつものごとく、コイツらめっ!と子供たちを想いながら裏日記を書きおえて、台所で夕食の準備をしていた時だ。
トマトサラダを先に作ってしまったので、食卓にそれを置いてからメインのおかずを台所で作っていると、食卓で漫画を読んでいた息子がおもむろに寄ってきて言った。
息子『ママー。バナナとトマトってどう違うん???』
もっていた鍋を落とすかと思うくらい力が抜けた。同じく食卓で座って漫画を読んでいた娘も漫画をもっていた手を下に落とし、脱力しきって、こちらをみている。
マ(私)『?なんて?バナナと?トマト?』
息子『うん。バナナとトマト。何が違うの?』
もはや太刀打ちできる質問じゃないと私の反射神経が判断し、即座に
マ『バナナとトマトはどう違う?おしえたげて。』と超無責任に娘に丸投げした。
娘『いやいやいやいや(笑)。ママ。それはないわ。』と笑う。
ママ『がんばれよ!おねえちゃんやろ!』とさらにムチャぶりしてみるも、
何かおかしいことをゆったかな?という顔をしている息子を見ると、
『あれか?数学者が0がすごいとか、素数に魅力を感じたりする系か?』とか思えてき、やはりきちんと説明すべきかと
『まずはよく見てみよう。何色?どんな形?味は?種はある?』と息子にゆってみた。
すると、普段おかしくともやはり姉。娘が息子の前に近寄っていき、どうしたもんか…という顔をしながら、食卓にあったトマトサラダを弟の前に置いた。そして、指さしながら『じゃあ、まずはトマト見てみよ。どう?何色?赤い?種もあるよな?この辺はちょっと緑やね。ぬるぬるもしてるし…』
と懇切丁寧に説明しだしたのだ。
台所から二人の姿を見ながら、この訳のわからない質問にここまで丁寧に答える娘に対し、普段はあんなに邪険するのにやはりいいお姉ちゃんだと思った、しかし、質問が質問なだけに、真剣にバナナとトマトを検証する様はどうにも可笑しくてしょうがなかった。
しばらくして、私もバナナトマト議論に参戦したのだが、
結果、息子は
『ふーん、そっかー』
と言って、違う話をしだした。
『そんだけかいっ!!!』とつっこむしかなかった、我々。
娘&私は、なにがなんだか、我々は何をしていたのか、何がしたかったのか、もはや訳がわからない。息子の訳のわからない質問は、彼の適当な相づちと離脱により、『あの返答でよかったのか?』『もっと味とか調理のことか?』『理科的な話か?』と考えせられ、さらには、息子のように『そもそもバナナとトマトの違いは?』とまで考えさせられる始末。周りの人間にこの息子質問をし反応を見るも、結局、ひたすらに笑われる。当たり前だ。そして、さほど有益な答えがない中、
『え?バナナとりんごじゃなくて?トマト?リンゴ?』
と、さらにややこしくする友人までいた。
(バナナとリンゴならアリな質問なのか?)
自分でも、もはや何がしたいのかわからない。くそ真面目に書いていた日記よりも、気になってしょうがないのだ。抗えない息子質問はもはや呪いのようだ。
誉め上手な友人にこの話をしたところ、大笑いした後、
『あれだよ!あれ!ニュートンと一緒で、すごく賢いんだよ!リンゴが落ちたのを気にするのと一緒だよ!』
なんて壮大。まさかの息子ニュートン説。
んなばかな。
しかし、計り知れない子供の可能性を否定するのもナンセンス。なので彼女の言うとおり、ニュートン説を信じることにした(むしろ信じたい)。
息子よ、早く世紀の大発見をしておくれ。
と切に願う。