i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

チョコレート工場

バレンタインに娘からお茶がもらえるだろうと昨日の午後は若干浮かれていたのだが、日記を書き上げ、しばらくすると帰宅途中の娘から

『明日のバレンタインデーに学校に何か作って持っていきたい』

と連絡があり慌てて近所のスーパーへ生チョコ入りガトーショコラの材料を買いに行く羽目になった。

 

どうせ作るなら美味しいものを作って沢山たべたいと考え、大きめのパウンドケーキ型二本分ができるようにと材料を買い揃えた。学校から帰り昼食をとった後、バイオリンの練習を終わらせた娘と二人でケーキ作りをした。すぐ横で息子がつまみ食いをしたそうにしながら学校の宿題に励んでいた。

材料を合わせていき、二人で交代に混ぜながら

『これ、明日何人分もっていきたいの?』

と尋ねると、

『15人。できたら全員に配りたいやん。』

と返事をされた。

(二本分作っといてよかった~)と思っていると息子から

『ボクも学校にもっていきたい!先生と隣のクラスの先生と校長先生とあとマダム ○○(授業中に勉強の補佐をしてくれる大人)に!』

見事に大人だらけな人選。息子らしいなと思いながら

『じゃあ、4人よな。4つ用意するな。』

と返事をした。

量的に足りるだろうとバウンド型を見ながら考えた。量は足りるがせっかくのバレンタインなのに包装紙がないなと気付き、ケーキが焼き上がってから子供達と近所の雑貨屋さんへと向かった。私としては、パウンドケーキ一つ入るくらいの小さなかわいい袋があればいいなと考えていたのだが、そんな便利グッズはどこにもなく、仕方がないのでマスキングテープと包装紙のように細長い筒状になってる包装用の透明フィルムを一つ買って帰った。

うちに帰りドアを開けると部屋中がチョコレート匂いでいっぱいだった。『うわーすごい匂い~』とかなんとか言いながら、大分温度が低くなっていたチョコケーキを見て気がついた。

母『これさ、今まだ暖かいし明日の朝ラッピングせなあかんやん。』

娘『じゃあ、朝しよ。』

(軽く返事をするが19個のパウンドケーキのラッピングを登校前にしろとな???)と思ってしまったのだが、だからといって私が夜中に一人でやるのは何か違うと思えてき、結局、翌朝一緒にラッピングすることに同意した。

 

『ママ!ママ!起きて!!ケーキ!!ケーキせなあかんから!!!ママ!!』

と、いつもの朝よりはるかに荒々しく起こされた今朝。

ぼーっとしながら、冷めきったチョコケーキを見て、19個ラッピングの使命をはっきりと思いだした。これはぼーっとしてられん!と、慌ててラッピングに取りかかろうとすると、

『おなかすいたー』

と娘&息子から朝ごはんがまだやけど?と訴えられた。

ああ、そりゃそうだと、ラッピングを一旦おいておき、台所へ戻りサンドイッチを作ってから子供達へとだした。子供達がサンドイッチを食べる横で、私は一人、ラッピングを開始した。

ケーキを19個切り出すと中から生チョコが出てきたので、そこにクッキングシートを小さく切り、べたつかないように張り付けた。透明フィルムをケーキ一切れを包装しやすい大きさにハサミで切り取り、一つ一つ汚れないよう崩れないようケーキを包んでいった。包めども包めどもなかなか終わらず、とりあえず先に4つ仕上げてしまい、できあがったケーキを息子に持たせて学校へと見送った。

登校時間がいつもより遅めだった娘は息子が学校へ行ってからもまだのらりくらりとサンドイッチを食べており、一向に手伝ってくれなかった。ようやくサンドイッチを食べ終わり包もうとするも、元々あんまり器用ではない娘なのでなかなか上手く包めず、仕方がないので私が包んだケーキをマスキングテープで留めるという流れ作業スタイルを導入したた。

二人でひたすらもくもくとチョコケーキを流れ作業で包みあげていきながら

『チョコレ~トディスコ♪チョコレ~トディスコ♪』

と少し以前に日本で流行っていたらしい歌をテンションをあげようと口ずさんでみた。しかし、

『どっちかってと、チョコレートディスコってよりチョコレート工場よな…』

という母娘同時意見により、我々の朝のテーマソングは可愛らしい女の子っぽい曲から、『映画  チャーリーとチョコレート工場』のウンパルンパへと変わってしまった。

娘と共に15個のラッピングを仕上げてから彼女を学校へと送り出した。朝からさんざんな目にあったと脱力しながら、食卓を片付けていると、子供達がつまんだからか残りのケーキが二切れとなっていることに気づいた。

あんなにいっぱい作ったのに……と思わずにはいられなかった。

しかし、このままでは残り物感漂うバレンタインとなってしまうので、今から子供達と主人へのバレンタインチョコを作ろうかと悩んでいるのだが、正直ちょっともうチョコが見たいと思えない。

 

辛口タイ料理がたべたいなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冷蔵庫のお宝

アルコールの話をする時、数年間熟成させたものをよく『○年物』という言い方をする。ワインだと西暦で何年にできたものだという言い方のほうが多いかもしれないが、今から20年前に作られていたら20年物といったりもするし、泡盛だと150年物なんていう古酒といった希少なお酒が存在するとか。

元々、アルコールの発端は諸説あるが世界各地で猿酒説が有効とされているらしい。猿酒とは、猿が果物や木の実を集めて隠していたものが自然にアルコール発酵してしまい酒となったものだ。もちろん、自然界で偶然的にできた猿酒では供給も安定しない、品質も不安定なので、そこから長い年月をかけて人間が安定安心の素晴らしい飲み物へと改良していったのだが、その説を知った当時の私(お酒好き)は猿に敬意を表さずにはいられなかった。

 

数日前、地下鉄の電車のなかで娘が私に尋ねてきた。

娘『なあ、お茶って腐るん?』

母『へ?お茶?お茶は…腐らない気がするよ。…でも賞味期限はあるし、買ってきて直ぐのと、開けっ放しにしてほったらかしてるのじゃ味も香りも違うしな、美味しくはなくなっていくよ。』

娘『でも、飲めるんやんな?』

私『???飲める。と思う。たぶん。ママは腐ったお茶の葉はみたことない。』

娘『…ふーん』

 

一体何の話だかと思っていたのだが、昨夜、子供達とバレンタインの話になり合点がいった。娘は私へのバレンタインデーのプレゼントを考えていたのだと。

去年のバレンタインデーをたしかうっかり忘れていた私は、その辺のスーパーで美味しそうなチョコを買ってかえったのだが、そんな適当な母に、なんと娘がチョコレートをプレゼントしてくれたのだ。スーパーではなく、近所の小さなショコラティエへこっそり一人で買いに行ってくれていたのだ。初めての娘からのバレンタインのプレゼントにとても嬉しくて感動した私は、もらってすぐに一つを食べ、記念に写真を撮った。それから、冷蔵庫に大事に入れておいた。極たまーーーーに、一つのチョコを箱からとりだし食べていたのだが、次第にもったいなくて徐々に手が出せなくなっていったのだ。時折、娘に

『まだ食べてないん!??』

『いいかげん食べや!!』

と、この一年言われ続けてきた。

そう、もったいなくてある時から手が出せなくなった娘からのチョコレートは一年たった今でも我が家の冷蔵庫の中で奉られているのだ。その結果、呆れはてた娘が【何年たっても食べれるもの】といったカテゴリーで母へのプレゼントを探しだしているのだ。

さらに言及すると、息子も11月にあった誕生日に姉である娘から同じようにショコラティエのチョコレートをもらい、チョコ好きのくせに今なお冷蔵庫に奉っている。

我々の冷蔵庫のお宝チョコは賞味期限を過ぎていようと捨てるなんてもっての他。だからと言ってアルコール発酵するわけでもなく、年代物にするわけにもいかないのだが、どうしていいやらわからずに一年も経ってしまった。できることならいっそ古酒のように年代物にしてしまいたいくらいである。

しかし、どうやら明日のバレンタインには、美味しそうなお茶をいただけるような気がするので、チョコの熟成は一年だけにして明日のおやつに美味しいお茶と一緒に頂こうかと思う。

 

ここまで書いてて

『これで明日、何ももらえなかったらどうしよう。』

と、ふと考えた私は小心者だろうか。 バレンタインデーの男性の気持ちが少しわかった気がした。

 

バレンタインデー

世の男性陣と女性陣に祝福あれ

 

 


f:id:i-chi-tora:20190213194048j:image

左 : 息子所有 3ヶ月物 

右 : 母所有  明日で一年物

 

 

 

 

 

 

警戒警報発令

茹でたソーセージを二本とサラダを皿に盛り付け、ケチャップとマスタード、バター、それにホットコーヒーを並べ、ついさっき買ってきたバゲットを半分こした。

ホットドッグにしたり、ソーセージをおかずにしてサラダとパンを付け合わせとしたりと、それぞれが好きなように食べれるようにというスタイルがいつもの月曜日の主人との昼食だ。

カチャカチャと時折ナイフとフォークの音がするなか主人が私に尋ねてきた。

主人『知ってる?ブリーチのことを、ものすっごい細かく分析してるブロガーさんがいるって。』

私『ううん。しらん。そんなすごいの?』

主人『ちょっとアドレス送るし見てみて。すごいから!』

とのこと。

【ブリーチ】とは、私と主人がかつてはまっていた週刊少年ジャンプで連載されていた死神の青年を主人公とする少年漫画である。数年前に完結したのだが、主人と二人(と実家の父親も)で漫画本を買い集めるくらいにはまっていて、よく物語の内容について二人でそれぞれの考えを言いあっていたのだ。そんな我々であるので、考察内容をブログに書くほどの方とは一体どれ程深く考えられているのだろうと、わくわくしながら、主人が送ってくれたメッセージを開いた。

そこには、ものすごく見慣れたアドレスがあった。

『○○○○○.hatenablog.com』

なんと、はてなブログにおられるブロガーさんだったのだ。主人からはてなブログの記事が送られてくるとは予想もしていなかったので、一瞬にして身構えた。一体どういった経緯で主人はこの記事に行き着いたのかと高速で考えた。

主人『な、すごい細かく書いてはるやろ!?すごいよな、この人!』

私『すごいな!ここまで考えるって相当頭がいい人なんやろうな!』

とかなんとか感動を表す反面、はっきり言って気が気ではなかった。

そりゃそうだろう。なんせ私のこの日記はあくまで裏日記。ほとんどの人間にこの日記のことを明かしていないどころか、メインの登場人物である子供達や主人には特に極秘なのだ。『王様の耳はロバの耳ー!』と王様の横で叫ぶ馬鹿はいないはずだ。

主人と二人、ブリーチに関する記事をお互い携帯画面で開いて会話をしている間、はてなブログアカウントを有している私の携帯画面の右端には私自身のアイコンが現れていたのだ。チラッとでも見られたら秘密裏に進めている私の裏日記がおじゃんになる危険があり、私は絶対的に私の携帯画面が見えないよう細心の注意を払った。後ろめたさ全開で胸中では警告音がピーピーピーピーピーと鳴っているかのようだった。

そんな私の胸中を知らない主人はさらに一言ありえない言葉を発した。

『あんまりすごいからさあ、俺、読者登録したもん。』

私は確かめるため脳内で復唱した。

(読者登録 したもん)

(読者登録したもん?)

(読者登録だぁ!!????)

『読者登録……って、このはてなブログのアカウントないとできないんじゃないの?ブログ書く人じゃないとないんじゃないの?』

と、必死の思いで平然を装いながら聞いてみた。

主人『ブログは書いてないけど、アカウントはすぐに作れるねんで。だから、アカウントはあるねん。』

(アカウントはあるねん。)

(アカウント ハ  アルネン)

(アカウント  ハ  アル…)

主人のその一言は、私の脳内警告音をピーピーピーどころか、ピピピピピピピピ!というけたたましい音へと変化させた。

そう、あろうことか、なんと主人がはてなブログのこのフィールド上にいるのだ!その後、さらに平然を装いながら

『へー、そうなんや~』

とかなんとか、すっとぼけながら会話をしたのだが、『私もやってみよかなー』とか『どんなんなん見せて』とか言ってみようかとか、もうそれこそ色々考えたのだが、最終的に下手を打たない方がいい気がしてきて何一つはてなブログについて言及することをやめた。

万一、何かに勘づいてバレていたら、さぞかし私は滑稽だろうよと考えたり、いや、そもそもバレるはずがないだろう、と考えたりしながら無口になっていく自分に、なるほど浮気をすると無口になるしか術がないのかと、かつての主人の行動に納得がいった月曜日の午後であった。

 

今、うてる対策として、とりあえず私だと一瞬でばれるであろうアイコンを変えるべきか、さらには今属しているあらゆるグループから抜けるべきかと悩んだのだが、せっかく読者の方々もいてくれるのだし、グループもアイコンも私なりに気にいっているので、やはりこの体制は維持していこうと思った。今後、読者の方が増えると嬉しい反面、『これはまさか主人では…』と考えてしまうだろうが、まずはとりあえず『はてな砲』とやらが来たらシャレにならないので、被弾しないようにひたすらに祈るしかない。

 

なにやってんだかなー。

 

 

 

追伸   

万一、私一虎のアイコンがある日突然変わった場合、『あ、この人本気で"逃げ"に出たな。』とご理解いただけると幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

領域侵犯

私は気づいた。

ヤツのあれが100%母に対する親切心からではないのだと。

 

一昨日の夜、彼女に

『おやすみ~』

と言った後、

『おやすみ~』

『早く寝ぇや!!』

と小言を足されて返事をされた。

どんどん小うるさくなってきたと、少しやっかいに思いながら、私はその後すぐに寝にいくこともせず、いつものように携帯電話をさわりだした。ご丁寧にも我が裏日記にコメントをくださった方がおられ、お礼のお返事を記した後、書きかけていた下書きの日記を書き上げ更新した。それからもしばらく携帯電話をさわり、気づけば深夜の2時前となっていたので、これはやばいと慌ててベッドへと向かった。

真っ暗な中、少し入ってくる明かりのせいでか、私の寝床のシルエットがいつもと違う形をしているのがわかった。

『?????』

やたらと体積があり、(なんだこれ?)と思いながら、枕元にある電気スタンドの小さな明かりをつけた。


f:id:i-chi-tora:20190211175034j:image

私の寝床にやたらと大量にぬいぐるみが敷き詰められていた。特に枕元には大きめのぬいぐるみが、さも寝ているかのように並べられ、その上には

『おやすみ』

と書かれた紙がおかれてあった。

私は瞬時にわかった。ヤツ=娘 の仕業であると。

そして気づいたのだ。もはやこれは母に対する親切心からの起床促進運動ではなく、困ってる母を面白がってる娘のドS心からくるものだと。恐らくこの『おやすみ』の一言と、大量のかさ張るぬいぐるみたちは助言通りに早く寝ない母へ対し、

『早く寝ぇへんから寝るとこなくなるねん。(ニヤリ)』

とでも言いたいんだろうよ、と思えてきた私は、やりかえさんと寝床に敷き詰められていたぬいぐるみを抱えた。そして、そのまま娘の寝ている二段ベッド上段へ次から次へと、すべてのむいぐるみを投げ入れた。暑がりで布団を蹴り飛ばして寝ていた娘の周りは大なり小なりのぬいぐるみに埋め尽くされ、仕上げに蹴り飛ばしていた掛け布団をかけておいた。よく眠ってる娘は一度も目を覚ますことなく、少し苦悩しているような顔をしながら眠っていた。ぬいぐるみもなくなり、スッキリとした自分の寝床に戻った私は、ついさっき日記を書き上げたにも関わらず、直ぐ様、今の娘の所業を書いてやろうかと携帯電話を手にしたのだが、とりあえず彼女の意図を確認してからにしようと朝を待つことにして、そのまま眠りについた。

朝になり、いつものように先に起きていた娘に起こされた。すぐに私は

『あのぬいぐるみはなんなん?あの『おやすみ』と!』

と尋ねた。

『あはははは!寝るとこなかったやろ?いつまでも寝ぇへんから先に寝られて場所なくなるんやん。』

と、恐ろしいまでに予想通りの答えが帰って来た。予想はしていたものの、一言言わないと気がすまなかったので、夜中の心境を彼女に伝えた。

母『やっぱり!!あんなん寝れへんし、邪魔やったし、全部そのままそっちのベッドにいれてから寝たから!』

娘『あー、だからベッドの下にぬいぐるみおちてたんや。気づかんかったわ。』

母の小さな嫌がらせは寝相の悪い娘にはまったくの効果がなかったようだった。こんなことが続くのはご免だと思い、

『あんなことしたら、余計寝るの遅くなるからやめて!早起き関係ないやん!』

と訴えたのだが、 娘は『えー。』と笑うだけであった。

 

そして、昨夜。

いつものように、

『おやすみー』

と言い合ってすぐ

『もうぬいぐるみはやめてやっ!!』

と一言つけたし先手をうった。

しばらくしてから、まだ寝るつもりはなかったのだが、私は私の寝床がのっとられていないか確認へ行った。案の定、乗っ取られていた。しかも、娘本人に。私の寝床でウトウトしてる娘を見つけ、揺さぶり起こし、

『それは反則!自分のところへ寝にいって!』

と主張すると、愚図りながら

『えー!こっちの方が寝心地いいんやもん!いややー!!』

と叫ばれた。

 

いつの間にか、起床促進運動は領域侵犯へとテーマが変わっていたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

バードウォッチ

今日のパリはまだ2月初旬だというのに気温が10度ほどあり、ここしばらく続いてた強烈な寒さにうってかわって、外を歩いていても身体が冷え込まないくらいだった。

 

毎週土曜日の音楽教室へ娘&息子と向かった今日の午後、娘の個人レッスンの合間に息子に一時間程の休憩時間ができたので、息子と二人で近くの公園にでも行こうということになった。公園に行く前におやつを買っていこうと近くにあったスーパーに立ち寄った。

スーパーのパン屋さんコーナーで2個目がタダになってるお買い得なクリームパンのようなパンを2つとホットコーヒーを注文した。息子にあったかい飲み物はいらないのかと聞くと、

『全然寒くないし、暑いから冷たいのがのみたい』

と言い、微炭酸ジュース【オレンジーナ】をせがまれた。

オレンジーナも注文しお会計を済ませ、店員さんから商品を受け取りスーパーを後にした。


f:id:i-chi-tora:20190210071601j:image

f:id:i-chi-tora:20190210071837j:imagef:id:i-chi-tora:20190210072229j:image

ルーブル美術館の前にある大きな公園の敷地に入ると、ナントカと煙は高い所が好きとでもいうのか一人颯爽と塀の上を歩きながら楽しそうにする自由人全開の息子を見ながら、この人は将来一体何になるんだろうかと思いながら携帯電話で写真を撮った。

塀が終わり、仕方なく塀から下りてきた息子とすぐそばにあった噴水へと向かった。噴水の周りには何脚かの椅子が置かれていたので二人でそこでおやつにしようとしたのだ。


f:id:i-chi-tora:20190210073214j:image
f:id:i-chi-tora:20190210073245j:image

息子が空いていた椅子に座ってから、私も横にあった椅子にすわり一息ついた。ゆっくり座っておけるだろうと、さっきスーパーで買ったパンを息子と食べようとカバンから取り出した。紙袋からパンを取り出し息子と二人で一つを分けようとした時、黒っぽい塊が思いっきり私の右手に当たった。なんだ!!?と思いパッとその黒っぽい塊の行った先を見ると、名もわからない鳥が一羽いた。
f:id:i-chi-tora:20190210074240j:image

たしかに、よく考えたら鳥に蹴られたような気がしてき、なるほどパンほしさに強行手段にでてきたのかと納得がいった。観光客も多い公園だし、かなり人慣れしてるのか、パンを手にしていることを理解しているその鳥は一向に離れようとしなかった。それどころか、はずみで落ちたパンくずをつまみ出した。すると同時に、周りにいた鳥たちが餌がもらえると勘違いしたのか一斉に私の周りに集まりだした。


f:id:i-chi-tora:20190210074700j:image


f:id:i-chi-tora:20190210074723j:image


f:id:i-chi-tora:20190210075148j:image

『おおお!』

と、動物好きの私は鳥たちの群がってくる様に感動し、はしゃいでいたのだが、横を見ると息子がいたはずの椅子には息子がいなくなっていた。


f:id:i-chi-tora:20190210075220j:image

気づけば息子(動物嫌い)に距離をとられていた。

この直後、息子から

『寒いから帰ろ。』

を連呼されたのは言うまでもない。

 

 

起床促進奮闘記

ここ最近、春眠暁をなんたらと、ぼやきながら朝の早起きに四苦八苦している母に対して、娘があの手この手でなんとかしようと奮闘してくれている。

娘による母への起床促進奮闘記は、知らぬまにセットされたiPadアラームから始まった。娘が学校へ行ってしまった後、無造作におかれたiPadから息子が起きなければいけない時間に合わせ緩やかな音楽が鳴り出したのだ。しばらくすると、その音量は最大音量へと変えられ、さらに緩やかなる音楽は分かりやすい機械的な不快音となり、さらには、そろそろ起きた方がいい時間、起きなければいけない時間、シャレにならない時間五分前、となかなかよく考えられた時刻に数回に渡って鳴り響くようにと設定が追加されていった。

残された息子と二人何度となく彼女の居ぬ間に愚痴りながらも感謝をしていたのだが、それでもなお朝がつらそうな母に対し、娘がついに先日、荒療治を仕掛けてきた。

その日は娘と息子は同じ時間に家を出る予定だったのだが、先に起きた娘は私をまず起こしに来て、

『ママ、もう8時10分やで!もう起きな小学校おくれるで!』

と私に叫んだ。

寝ぼけながら頭のなかで彼女の叫びを考えた

(…8時10分……!!!!あかんやん!)

と、あと10分で息子の登校時間だと気づき、しまった!!と飛び起き慌てて息子を揺さぶり起こして台所へと朝ごはんを作りにいったのだ。しかし、何故か台所の時計は7時半をまわったところであった。寝坊どころか理想的な起床時間であり、娘にまんまと騙されたと気づいた。朝から飛び起き慌てるという行為は一瞬にして多大なるエネルギーを使ってしまうように思え、娘には、『朝から身体が悪くなるような起こしかたはやめて!』と若干の文句を娘に伝えた。それでも少しの理不尽さがまだ残っていたのだが、結果として寝坊せずに済んだことと日頃の行いから、それ以上は強くでれるはずもなかった。

こんなことではいけないと、日記においても早寝早起き体質になろうと数日前に記したのだが、その矢先、昨夜さらに娘の起床促進運動が行われたのだ。

子供たちが寝た後に、私はよくパソコンをさわるのだが、昨夜も同じくパソコンをさわろうと、ノートパソコンを開けた。パカッとノートパソコンを開けると一枚の紙切れが挟まっていた。

『誰?こんなとこにこんなん挟んだの?』

と思い、手に取ると裏面には娘からのメッセージが書かれていた。


f:id:i-chi-tora:20190209091318j:image

早く寝た方がいいよ!』と。

 

 

『おっしゃる通り…』

私は心の中で呟いた。

 

この日記の説明文を

娘&息子の愚行裏日記から

母&息子の愚行裏日記へと

改名した方がいいのかもしれない…

 

 

 

三度の飯より

昨夜はありがたいことに、知人からのご招待をうけ、パリ管弦楽団のコンサートへ行ってきた。

 

夜20時半からの開演だったのだが、知人と約束があったため20時には会場前にいかねばならず、学校の後、宿題や楽器の練習を終わらせた子供達とともに18時半ごろに家を出た。

18時半からの外出となると夕食時間と被るので、子供達がコンサート中にお腹がすかないように、夕食を早めに家で食べてから家を出発しようかと考えていたのだが、昼御飯がわりと遅めになってしまったため、夕方に夜ご飯が入るほどお腹もすいておらず、結局、チョコだの小さなマフィンだのをおやつにつまんだだけで家を出ることになった。

地下鉄でコンサート会場まで向かいながら、

『あー、お腹すいたかもー。』

と息子がぼやいた。

『ええ!??もうっ!?』

と、私はびっくりしたものの、最近しっかり者の娘はそんなこともあろうかと飴を少しもってきており、彼女は息子に飴をひとつあげて黙らせた。

 

一時間ほど地下鉄を乗り継ぎ、コンサート会場の最寄りの駅に着くと、小雨が降っていた。辺りはすっかり日も落ち暗くなっており視界が悪く、いつもなら少し離れて見えるコンサートホールが見えにくいほどだった。

地下鉄の階段を上がってすぐに、

『うげー、雨やん!』

と、私&娘がぼやくなか、一人明らかにおかしなテンションの人がいた。

息子だ。

彼は、階段を上がりきるや、ソワソワソワソワしだし、コンサート会場のほうへ一人走りだした。負けじと娘が追いかけていき、

『先にいくなー!!はぐれるからー!!』

とキレる私。

きつめの口調にしただけあって、すんなり二人は止まってくれ、あらためて3人でコンサートホールをめざした。

待ち合わせ場所にいくと、招待をしてくれた知人の他にも知っている人たちが来ていて、聞くところによると同じように招かれたとのこと。子供たちも大好きな人達だったので、娘&息子も大喜びとなり、一緒に皆でコンサートの会場へと向かった。

エントランスに入りセキュリティのチェックを受け開演前にお手洗いに向かった。開演前ということと、自分の好きな人間だらけということで、息子のテンションがマックスだった。とにもかくにも落ち着かずソワソワソワソワうろうろうろうろ時にささーっと走りだしたり、もはや、お天気のいい日に広い公園へ連れて来てもらえた子犬のようだった。あまりのソワソワ具合に、コンサートホールへ入るため係員の人にチケットを見せていると、振りかえると息子がいなくなっていた。一緒にいた知人が

『あ、○○さん達とバーに行ったから大丈夫よ。』

とのこと。

(バーですと??私もいきたかったですけど!)

と、思いつつも直ぐにバーのあった方へ息子を探しに行き無事捕獲した。捕獲したものの彼のご機嫌テンションはかわらず、そんな彼の相手に疲れたせいか、着席するころには私のお腹はすっかり空っぽとなっていた。

20時半から演奏がはじまり23時前までの約二時間半、さっきまで走りまわってた息子は人が変わったかのように演奏を聴いていた。さすが、以前にそのコンサートホールに来た時に

『ここに住みたいっ!!』

と豪語するだけはあった。やはり、自他共に認める音楽バカだと改めて実感した。

演奏後半で日中の学校疲れからか所々寝てしまっていた娘に相対し、終始変わることなく舞台をひたすら見つめる息子の姿が私にとっては舞台にいる演奏者の方々よりも気になってしょうがなかった。この異常なまでの集中力が授業中にも出ればいいのに…と、何度となく思ってしまったが、それは思ったところでどうこうなるはずもないということは10年もヤツの母をしてるとさすがに私も理解しているので、二時間半の演奏中、私は己の空腹に耐えながら嬉しそうに舞台を見つめる息子を見ながらコンサートを楽しんだ。

コンサートが終わり知人にお礼とお別れの挨拶をして帰路についた。

家に帰ると午前0時をまわっていて、子供たちは着替えてすぐさま眠りについたのだが、お腹がすいていた私は深夜一人でサンドイッチを食べた。食べながら、ここ最近『お腹すいた』『ご飯まだ?』『ご飯なに?』と、やたらうるさいくらいに食事を楽しみにしている息子が、よく考えると今夜は飴玉1個しか食べていないという事実に気がついた。

三度の飯よりなんとやらとはよく言ったもんだど、空腹を忘れるくらいの息子の音楽狂っぷりにある種の感動を覚えた。

一体誰に似たのやら……

 


f:id:i-chi-tora:20190208092300j:image


f:id:i-chi-tora:20190208093345j:image


f:id:i-chi-tora:20190208092138j:image