i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

恐るべき水事情 in フランス

『あ、マダム!ちょうどいいところで会えた!』と、昨日夕方、自宅の階段を息子と上がっていると一階の通路から作業服姿のムッシュ(男性)に声をかけられた。

『今から一時間半、断水するから水使えなくなるよ!』

(またか…)と思い『わかったわ。』と返事をした。

 

ここフランスでは水漏れトラブルが多発する。おかげで点検だの修理だのに伴い、しょっちゅう建物全体が断水するのだ。特に昨年の夏バカンス中、大規模な水漏れが起きたのに原因がわからず、おかげで1週間以上断水されたのだ。とはいっても、住んでる皆さんが困るからと、夜の7時から9時までの2時間だけは建物全体への水道の元栓が開かれ、水の使用が可能だった。二時間だけでも充分困りものだが、使えると使えないでは大きく違う。1と0は違うのだ。当時すごく困りはしたものの、その貴重なる二時間を『ゴールデンタイム』と名付け、娘&息子と『今だっ!』と、シャワーやら洗濯やらトイレやら、水がいる事を片っ端からやり、〆には夜間にトイレで使う用に1,5Lの空の大量ペットボトルに水を入れストックしたり、さらに、日中その水が無くなろうもんならエコバックに空になった1,5Lペットボトルを大量につめ、庭にある唯一使用可能とされた水道へ行き、水を補給し、大量の1,5Lペットボトルを前に『難民キャンプか!』とか『ここは発展途上国かっ!』『いつの文明だ!』とかいいながら、子供たちに世界には水がなくて困る人が沢山いるのだとレクチャーしつつ、水の大切さを噛み締めたのだった。そんな約1週間のあいだ、修理業者も原因究明や修理に必死になっていてくれた(たぶん)。そんな彼らは、原因究明をし続けたある日、私にこう言った。

『マダム、水漏れの原因がお宅の台所にあるから、明日から工事をしないといけないから、明日の朝までに台所を空にしてね。あ、もしかしたら半年くらい工期がいるかもしれなくて、その間は台所つかえないからね。』

これ以上はないとゆうくらいにダメージを受け、自身のフランス語が間違えていないかと聞き直すも、同じように返答された。頭の中では、大家さん、保険、不動産屋さん、管理会社、どこからどう連絡してどうしようとパニックになっていた私は、

『…え、と、じゃあ、とりあえず今出来ることとして、お鍋とかを別の場所によけますね。』

と言い、半ばわけがわからないまま、台所のコンロ横にあった一番大きなココット鍋を抱えた。

瞬間、

『あはははははは!冗談だよ~マダム!!冗談!ここが原因じゃないよ!断水ももうすぐ終わるよ!笑』

と言われたのだ。

ただでさえ1週間の断水というレア体験中に、許しがたき冗談だった。漫画でゆうと血管がキレたようなマークが私の頭に数個ついていたに違いなかっただろう。こうして、私自身過去最悪な断水が安心とともに落胆をしながら無事に終了したのだった。

 

こんな修羅場(?)を潜ってきた私。昨日は、今さら一時間半どころの断水ごとき、ちょろく感じられ、(またか…)と思いつつ余裕綽々だっだ。おまけに出掛ける用事があったので、もはや関係ないと、帰るやいなや、出掛ける用意にとりかかった。学校から帰ってすぐの息子がまたおかしなことをしないようにと、『すぐに出るから、上着を着たまま待っていて』と伝え、急いで支度をした。あと、5分ほどで出ようという時に、台所にあった洗わずにおかれてたコーヒーカップに目がいってしまった。まだ間に合うかと、いつもならほっておきそうな事になぜか手をだしてしまった私。ムッシュの話を適当に余裕綽々で流したバチがあたったのだ。

すすごうにも水は出ず。

泡だらけの両手を宙に、どうしたものかとなった。幸いにも、振り替えるとテーブルのブリータ(飲料用カルキぬき水ボトル?)に少し水がはいっていた。かろうじて両手の泡を落として、中途半端な洗い物をそのまま中途半端に放置して家を出たのだった。

 

 

なんとゆうか、『断水恐えぇ!!』って昨日の話。