i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

続 串揚げ屋さん

一昨日、串揚げ屋さんへ行った話を昨日の日記に書くはずが、己の文才の無さと息子の日々の奇行によりおじゃんとなったが、気を取り直して続きを書く。

一昨日、主人、私、娘、息子の四人で私の誕生日のお祝いということで、串揚げ屋さんへいった。
息子の恒例のトイレチェックもおわり、いざ全員着席。純日本風な少しきっちりとしたお店で、メニューと一緒に暖かいおしぼりをもってきてくれた。
渡されたおしぼりで主人、顔をふく。それをみた息子、なるほどと顔をふく。さらには、娘までもが、なるほどという顔をしてたので、
ママ(私)『いや、まって!顔をふくためのもんではないから!そりゃ、まあ、気持ちいいのはわからなくはないけどさ!』
と、顔ふきを止めようと試みたが最後の一言が余計であったようで、結局娘も顔をふいた。
娘『ほんまやーきもちー』
息子『はーいいなーこれ』
主人は『だろ?』といわんばかりに得意気だった。

さすがに、化粧をしてる私はできるはずもなく、少し羨ましくもありながら、あきれながら三人をみていた。
いよいよ注文。そのお店のメニューは、夜はアラカルトなく、串揚げ15本がメインとなる2つのコースのみ、といったものだった。なので、子供たちには品数が二品少ない安い方を、大人はもう1つのコースをお願いした。
飲み物を店員さんからきかれ、主人&息子は大好きなコーラを、私は日本酒を頼んだ。横にいた娘がなかなか決まらない様子で私に聞いてきた。
『ほうじ茶ってなに?煎茶はみどりのやつ?抹茶とは別?』と、質問をしてきた。
普段さほど日本のお茶をのまない彼女。少しお姉さんらしくなってきて、そろそろ大人ぶりたいお年頃か、ジュース類ではなく、渋いお茶をチョイスして大人ぶりたかったのだろうが、私も主人も娘のあまりの外国人的質問に唖然とした。
結局、娘は煎茶をお願いし、しばらくして、それぞれの飲み物が届いた。ワイングラスのようなグラスにコーラをいれてもらった息子は、しれーっと格好つけてブランデーを持つような持ち方をしてニヤニヤしたり、娘は急須と小さめの湯飲みに感動してたり、私は久々の日本酒がきて大喜び、旦那さんは我々三人を若干あきれたような目で見ていたように思う。

それから、料理が順番に運ばれてきた。突き出し以降は大人のほうが二品多かったのだが、ズルいだのなんだの文句をいわれ、お刺身やらイクラやらの大半を子供たちへもっていかれた。二品分の差で、子供たちへ先に揚げ物が到着、店員さんが子供たちへも丁寧に最初の揚げ物三種をならべて内容を説明してくれた。基本的に大人と話すのが大好きな息子。そんな丁寧に話してくれる店員さんは彼の格好の餌食だった。
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絡む息子。
『これは何をつけるのがいい?』『このソースとこれはまぜていい?』『これからたべる?』『食べる順番はやっぱりこう?』などなど、質問ぜめ。さらに、一足遅れで同じく三種ずつ我々大人へも揚げ物がならびだすと、やれ『これがおいしい』だの『この順番がいいよ』『やっぱり、これはこう食べたほうがいいよ』だの、さらに店員さんの話をさえぎり先に内容説明をしてくれたりと、我々大人より先に揚げ物を食べ始めた分、串揚げの先輩、いや、鍋奉行ならぬ串揚げ奉行と化してた。

店員さんも面白がって『そうそう、そうやって食べるといいよ』とかなんとか、息子にのってくれながら、明らかにふくみ笑いが大きくなってきていた。

息子が初の本格揚げ物に対し嬉々として語るなか、娘はなんとかして、ママからもう少し揚げ物を奪えないかと考えていた。
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『油っこいのは、血をドロドロにするから、ママにはよくないから、たべてあげる』
『早く老化していいの?』
『ママはホタテアレルギーやから、出たら私がもらってあげる』
『ママはえび食べたら口が痒くなるんじゃないの?茄子も喉がかゆくなるってゆってたで?』

世の優しいお母さんなら、子供たちに1つ2つくらい、好きなものを譲ったかもしれないが、自他ともに大人げないと定評の母。
『絶対にあげへんし!ママは好きなものが食べれない人生より、色々食べて死にたい派だっ!』
とまで言い切り、残念がる彼女。

一見すると母の身体を気遣う優しい言葉だが、12年も彼女の母をやってると、『騙されへんからな』としか返しようがない。
ヤツはかつて、ディズニーランドでミニーちゃんに手紙を渡したら、お礼に何かもらえるかな!?と画策し、見事やってのけ、ミニーちゃんからお礼のお菓子をゲットしたぐらい強かなのだ。
母娘の凄まじい攻防の末、無事母が守りきり一口たりとも渡さずにコース終了。

その後、デザートをいただき、お誕生日ディナーは終了となった。

終了後、勝利を我が手にできなかった娘。『私の誕生日もここがいい。で、高いほうのコースにして。』と、最後に最大級の嫌がらせを放ってきた。あげくに、再来週が誕生日で近所のクレープ屋さんに食べに行きたいと半年以上前から決めている弟にまで、『ここ美味しかったよな??また来たいよな?クレープ屋さんはいつでもいけるで?誕生日はクレープよりこっちのほうがいいで?』とか、言い出した。帰り道、ひたすら悩む息子に旦那さんがひたすら説得を続けていた。

家に帰り、お店でデザートを食べたのに誕生日ってことで再びケーキを食べた。

誕生日の主役である私が自らケーキやろうそくを用意をしながら、今日の串揚げ屋さんは子供たちも喜んでくたし、美味しかったなと思いだしていた。しかし、さらに自分のお刺身の奪われ様と娘との攻防まで思いだし、ケーキを用意している現状をふまえ、『…誕生日とは??祝われていたのか?』と疑問が沸いてきた。一瞬モヤっとした気持ちになったものの、そのあとで三人が歌ってくれた一切まとまらないバースデーソングが可笑しくて、聞いているとやはり嬉しくなった。
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子供たちよ。
早く大きくなって
母に至れり尽くせり誕生日会を企画しておくれ。