i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

息子からのお土産

(つづき)

 

それから二日後の夜…

 

 

いつものように娘&息子が、今日は学校で○○くんと~した、とか、あの授業はどうだとか、夕食が出される直前の食卓にて、その日にあったことや学校の話をしていた。

料理をテーブルに並べ終わり、私も食卓につき夕食を始めた。するとすぐに、

『そうや!あのさ、今日の昼ご飯なんやったと思う!!?』

と、息子が尋ねてきた。

週2~3回ほどの頻度で出題される代わり映えのしないいつもの息子クイズ。

さらにそこで姉である娘も同じく、

『えーまたぁ?てゆーか、じゃあ、私の昼ご飯もなんやと思う?』

と、呆れるふりをしながらチャッカリ自分も被せて同じ質問を投げ掛けてきた。

 

この昼間の学校生活からの昼食クイズという、もはや定型化されつつある会話の流れは一体何歳までつづくんだろう?とひそかに思いながら、私は娘&息子の昼御飯は何だったんだろうと食事をしながら想像力を働かせた。

(昼御飯なあ………昼御飯……ひるごはん…!!!!!)

そこで私は大切なことを思い出し、息子に向かって叫んだ。

『ああ!!!!あんた(息子)!!フロマージュブラン持って帰ってきて、鞄に忘れてたやろ!!!』

と。さらに、

『あれは冷蔵庫に入れとかな、腐ってしまうねんで!リュックに入れといたらあかんよ!食べたらお腹壊すし、ママがもう捨てたで!!』

と続けて絶叫すると、息子が目を見開き何かを思い出したのか、

『ああ!!!』

と叫び、勢いよく席を立ち上がった。

『あぶない!!忘れてた!!』

というと、自分の学校のリュックの方へ走っていったと思うと、直ぐにそのリュックを持って食卓に戻ってきた。

『あんな、、、えっと、、、お土産あるねん!!!』

がさがさとテーブルの側で、学校リュックの横のポケットを漁る息子。何を探しているのだろうか?と、娘と二人で息子の動きを不可思議に観察していると、くるりとこちらを向き、ニヤっと息子が笑った。(正直、嫌な予感しかしなかった。)

『じゃじゃーん!!お土産!!!』

そう得意気にいいながら息子は、両手にかかえていた塊をテーブルの上にバサバサーっと撒き散らした。

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それは、大量のケチャップ。

マクドナルドのポテトを頼むと付けてくれるような3㎝×7㎝くらいの小さなサイズのケチャップがテーブルで山を作った。息子が両手で持てる分をとってきたようだった。

予想だにしないお土産の登場に、漫画のように食べていた物を吹き出しそうになり、むせかえる娘。

もはや言葉を無くす母(私)。

そんな二人を他所に、

『どう!!?いいやろ!!!?これでケチャップに困らへんで!?食堂にいっぱいあったから、持ってかえってきてん!お土産やで~!』

と、出張先から珍味名産品でも見つけてきた一家の主かのような、心底良いことをした顔をしている息子がいた。

連日持ち帰られる食品を前に唖然としていると、呼吸を落ち着け一頻り笑い終わった娘が、

『よかったやん、ママ。これでケチャップにはしばらく困らへん。なくなったらそれを足してもいいし、お弁当にも使える。少なくともケチャップ代は浮く!!』

と真面目な顔を装って、なんたる名案と弟を誉め出した。

母、おもわず絶叫。

サザエさんちの波平さんばりに雷を落とした。

『学校からこんなケチャップ持ってかえったらあかんやろっっっ!何考えてるんよっ!!!』

と。

『え?あかんの?』という、一体全体何故にそんなに駄目なのか全くわからないといった顔の息子に、これは不味いと

『学校で出される食べ物は学校で食べるためのもので、持ってかえったらあかんの。持って帰ってる間に腐ったりしたらお腹こわすし、他の人が『あー、ケチャップないー!』って困らはるかもしれんやん?ママだって、ケチャップ代くらいは財布にあるから大丈夫やしな!昼御飯は食べれる分をしっかり食べて帰ってきたらいいから!次やったらおやつ無しにするからなっ!!!』

と説明した。

『え~お土産にいいと思ってんけどなあ。』

となんとなく不服そうな息子。すると娘が、

『だいたい、こないだママがオムライス作ってるときに『あーケチャップが足りへんかも~ケチャップ薄めになる~』て、ギャーギャー言ってたからやろ。』

と、びっくり仰天な一言を放ってきた。

『え?………そやっけ?』

『うん。』『うん。そう。』

そういや、そんなことがあった気もする…と、気分は波平さんから一気にサザエさんへと転身。しかも、私のためを思ってかと思うと、内心、少し嬉しさもあった。

しかし、だからといって主張を曲げて敗退していい場面でもなかったので、

『そりゃ、ママは正直言うと助かるよ、これ。お弁当作ったらありがたく使わせてもらうつもりやで。でも!やっていいことではないからな。どうする?もし、昼御飯に学校で折角チキンナゲットが出たのにケチャップなかったら?そやのに、いっぱいケチャップもってる子いてたら?嫌じゃない??ママはケチャップなくても、その気になったらスーパー行って、おっきいケチャップ買うから大丈夫。お土産にしなくても大丈夫やから。わかった?』

と大事に使わせともらうという気持ちを足しつつ、もう一度念を押した。

『うん。うん。わかった。』と、息子は納得してくれたようだった。

しかし、その直後。

再び嬉々としながら、

『でもさあ、いいお土産やったやろ~??「おおっ!ケチャップ!!」って思ったん!』

と一言。

 

 

懲りているのかは、不明である。