i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

now.2(正しくはナウではない。)

現在、朝から一人、ブルゴーニュへ向かう列車に乗っている。

夏の始めに日本へ降りたったと書いた次のお話としては、話題の変わりようが酷すぎるのだが、もはやどうしようもない。過ぎてしまった時間は戻しようがなく、下書きフォルダにしまわれた書きかけの日々は闇に葬ることにした。

そもそもこんなことになったのは日本にいた1ヶ月半、有効な通信機器を持たなかったのが原因だ。日本に到着し、ポケットWi-Fiなるものを持とうか、はたまた日本で短期的に携帯電話を使えるように契約をしようかとか、少しは悩んだのだが(ほんの一瞬)諸々の手続きが面倒なのと、一年に数ヶ月くらい携帯電話がない時間があってもいいだろうと思い、有効な携帯電話を持つこともせず、常にオフラインとすることにしたのだ。いつもの携帯電話をWi-Fi機能付デジタルカメラよろしく生活した夏の数十日間のおかげで、意識がすっかり携帯電話から遠ざかってしまったのだ。

発案者である私としては携帯電話を持たない日々はなかなかに愉快だったのだが、周りの人達には多少迷惑をかけてしまったかのように思う。

『場所がわからなかったら、その辺の人に尋ねる。』

『公衆電話を見つけしだい、居場所を連絡するから。』

『はぐれたら迷子呼び出しコールをサービスカウンターで頼むから館内アナウンスに気をつけて。』

等々の無茶降りを快く受け入れてくれていた友人、家族、さらに道を教えてくれた親切な知らない方々、電車の駅員さん、には

『ご協力に感謝します。ありがとうございました。』

と、この場でこっそり呟いておこう。

 

 

さて、一通り言い訳もしたことだし、現状を。

8月半ばにパリへ戻った私達は、女子供留守中の主人一人暮らし生活を経た酷い部屋の有り様に驚愕。その上、日本から持ち帰ってきた大量の食料品や日用品を片付けなければならず、容赦ない断捨離と整理整頓を余儀なくされたのだ。しかし、どうせならこれを機会に家の中を一挙大掃除をし、スッキリ爽やかな家にしようと張り切って大掃除週間を始めた。

ほぼ毎日、大きなゴミ袋一杯に要らないものをつめては捨て、リサイクルに出し、人に譲り、、、ようやくかなりスッキリしてきたと思ったここ最近、9月に入り新学期がスタート。息子にいたっては新学期どころか中学校へ入学となった。そんな息子一大イベントをゴミ捨て話の延長でしてしまうのもどうかと思うので、息子の新たな中学のお話しはまた近々書くとして、何が言いいのかというと、断捨離したにも拘らず物が増えてきてトホホということだ。せっかく不要品を捨てまくり、スッキリしてきた家の中が、新学年で必要なものを買いそろえたり、学校から配られた教材やらで、片付けが終わらない。質量保存の法則でも働いているのだろうかと思ってしまうくらいだ。

そんな物理的なインプットアウトプットを繰り返すなか、新年度ということで各所書類手続きや登録手続きなんかも課せられ、キーーーッとなってきていた私に、数日前、息子のチェロを貸してくださっているレンタル楽器屋さんから連絡が入った。内容は

『一年に一回はメンテナンスをしたいから、アトリエまで楽器を持ってきてくださいね

。』

とのことだった。

息子の愛用している楽器は昨年の夏に、彼のチェロの先生がブルゴーニュのどこぞの街へ立ち寄った時に偶然見つけたらしく、『子ども用のチェロでこんないい音がするなんて!』と感動し、頼み込んで借りてきてくださったものだった。私はその楽器屋さんに出向く必要もなかったので、実際にその楽器屋さんがどこの街にあるのか、ほとんど把握していなかった。なので、これは大変だと

『実は我が家は車をもっていないのですが、パリから電車で向かってその日のうちに帰れますか?』

と尋ねた。すると、

『大丈夫ですよ。電車でも問題ないです。』

とのことだった。

 

それはよかったと、電話を切りすぐに契約書に書かれている住所をもとに携帯電話で経路検索をした。調べた結果、片道四時間弱かかることが判明。軽く舌打ちしたものの思いの外、列車の料金が安かったので、致し方なしと直ぐ様列車のチケットを予約したのだった。

 

 

そして今、一人、息子のチェロと共にいざブルゴーニュへと向かっている。片道4時間弱をかけ、子供達が帰って来る夕方までには自宅へ戻る、超とんぼ返りブルゴーニュ一人ツアーである。

心底面倒だと思っていたのだが、いざ朝早くから大きな駅に着き、特急列車に乗ると実感すると少し気持ちがはしゃいだ。遠足気分になった私は、列車に乗る直前に車内でコーヒーでも飲もうと売店へと立ち寄ったのだ。

そして気付いた事実に驚愕。

財布の中に10ユーロもない。

カプチーノと水のお代を支払ったがために、現在所持金約5ユーロ。

ブルゴーニュの到着駅からはバス移動、、、とにもかくにも着いた駅前にATMがあることを祈るしかない。


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『Bonne journée.( ボン ジョルネ)』

意味 : 良い一日を。

 

アーメン。

 

 

 

(※この直後に、持っていた水を派手にこぼし、この記事は下書きフォルダに入れられ、3日間程熟成(?)されていました。)