i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

敬意

母からのメッセージに気付かない娘。ヤツが帰ってくるまでに、バナナとお花を買いにいこうと、息子と二人上着をはおい、出かける用意をしていると、私の携帯電話にメッセージが入った。

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『あけろーーー

ろーーーーーーー

はーーやーーいーーー!!!!』

と。

『はやい』ではなく『はやく』だろうがとか、母に対して何たる口調だとか思いながら、慌てて娘に電話をかけた。

『え、ほんまに今あけていいの?』

『いいよ。結果おしえて!はやく知りたいから!』

と言われ、私はコンクールの結果の入った封筒を手にとった。娘と通話状態のまま、恐る恐る開封し、折り畳まれている一枚の紙をとりだした。

『20点満点中18点!!何位とは書いてないけど、授賞式にくるようにって!』

『はい。わかった。』

『すごいやん!18点て!』

『うん。ありがと。もうちょいしたら家帰るな。じゃ。』

『え!?』

結果を伝えると、あっという間に娘に電話を切られた。バナナとお花を買いにいこうと上着を着ていた私は慌てて娘に電話をかけなおしたのだが、いくらかけても繋がりはしなかった。またしても飛行機モードか…と諦め、もうすぐ帰ってくるなら出かけるわけにもいかないかと上着を脱いで、お花とバナナをあきらめた。娘のバイオリンコンクール出場に関し、ひたすら尽力してくださったバイオリンの先生に、結果が書かれた手紙を写真に撮りお礼とともに送信すると、すぐさま返事が送られてきた。

『おめでとうございます!!順位が書いてなかったからと、一位に入れなかったからと、残念がらないでいいとしっかり言ってあげてください!一位でもおかしくない得点ですし、十分高得点です!よくがんばったとひたすら誉めてやってください!』

と、なんとも優しい言葉が書かれていた。

電話をあまりにあっけなく切ったことといい、本人は恐らく悔しかったのかもしれないと思えた私は娘が帰ってきたらひたすらほめてやろうと思った。

しばらくして、娘が帰ってきてから、ひたすら誉めちぎり、おめでとうを言った。娘は嬉しいような少し複雑な顔をしていた。

 

それからのこの数日間、ありがたいことに日本にいる祖父母や友人達からも娘への激励の言葉が相次いだ。娘は悔しがる様子もみせず、皆にお礼を言っていた。さらにそんな中、バイオリンの先生から一通のメールが届いた。

『次からのレッスンは、この楽譜をするので譜読みをしておいて下さい。』

とのこと。添付されていたファイルを開けると、素人の母には解読不可能な複雑そうな楽譜が7枚もあった。娘に、

『これ、やっとくようにって先生からきたよー。』

と、携帯画面で新しい楽譜を見せると、嬉しそうに笑いながら、

『ええ~~っ!!もう新しいのきたん!!?一週間はゆっくりできると思ってたのに~っ!!!』

と顔と一切一致しない言葉を発した。明らかに言葉より顔がものをいっている状態だった。この間コンクールが終わったというのに、一息つく間もなく、ひたすら練習に励み続けなければならないということに嬉々とする娘を見て、我が子ながらもはや尊敬できると思えた。そんなことを考えていると、

『この楽譜、早く印刷してな!!あ、インクある!?ちゃんと買っといてや!!』

といつものように、母のダメ具合を心配しながら言ってきた。

 

ヤツと似た者親子とか言ってたら、そのうちバチがあたるかもしれないな……と思えた。

 

 

 

 

追伸 : 

娘のバイオリンコンクールに関し、応援、ご心配くださった読者の皆様、どうもありがとうございました。