i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

ホワイトデーのお返し

ホワイトデーの昨日、学校が終わり娘が帰ってくるやいなや

『ママ!今日なんの日か知ってる!!?』

と、私に向かって質問してきた。

 

『今日は14?ああ、ホワイトデーか。』

と答えると、娘が学校の鞄をごそごそとあさり、

『見て!!もらってん!!!バレンタインのお返しにって、○○君がクッキーくれたん!あと、学校で△△くんと□□ちゃんも飴とかチョコ持ってきてくれてて皆で食べたん。』

と、大喜びしながら小さなクッキーの箱を私に見せつけてきた。娘のあまりの嬉しがりように私は少し羨ましくなった。

ママ(私)『いーなー。ママもおじいちゃんにチョコの一つでも送っときゃよかった。そしたら今頃美味しいお返しが貰えてたかもしれんのになー。』

娘『ああ。おじいちゃんは確かに何かくれそう!』

マ『ママが小さい頃、毎年バレンタインにおじいちゃんにチョコあげてたんやけど、あげる時にお返しをリクエストして渡してたん。「お返しはたこ焼きにしてな。」とか。あああ、リクエスト付きでおじいちゃんに何かあげればよかったー。』

娘『今さら言ってもしゃーないやん。まあ、このクッキーは私のやし、食べんといてな。』

私はこの娘の一言に対し、瞬時に理不尽さを感じた。世間の心優しいお母さん達はこんな時、娘がバレンタインのお返しを貰えて喜んでいる様を微笑ましく見つめたりするのかもしれないが、先月のバレンタインにチョコレート工場を思わせるくらい、大量のガトーショコラの制作を娘に強いられた私は、そんな心優しいお母さんのような振る舞いはできなかった。私は思いのまま

『…なあ。知ってる?バレンタインのチョコケーキ、あれほとんどママが作ったって?』

と娘に言ってみた。すると、

『ははは。わかってるよ。でもさ、バレンタインの時に、「ママと作ったチョコケーキやねん」って皆に言ってケーキ渡したんやけど、お返しは「ママにもあげてな」とは言われてないからなあ。』

と、なんて性格の悪い娘だろうかと思ってしまうような返事がきた。が、口ではこう言いながらも、それなりに私へ感謝をしていることもわかっているし、それほどに皆からのお返しは嬉しかったのだろうと、理不尽ながらも渋々と、それ以上は食い下がりはしなかった。

しかし、やはり羨ましいものは羨ましかった。己のとる行動に見返りを求めるべきではないと頭では思うのだが、あんなに大量にガトーショコラを作ったのに…と思わずにはいられなかった。所詮、母は黒子であり裏方か…と致し方なしかとやさぐれていると、床でゴロゴロと漫画を読んでいる息子が目にはいった。ふと

『なあ。ホワイトデーって知ってる?』

と息子に聞いてみると、

『え…知ってるよ。』

と返事がかえってきた。ほほう、知ってはいるのかと思い、

『ママ、チョコケーキあげたような気がするんやけどなあ……』

と、確実にお返しなんぞ何も用意していない息子に対して呟いてみた。すぐさま

『ええ!?何もないよ!!だって僕何もあげれるもんないし!!おやつももってないで!!』 

と、必死に己の無力を説明する息子。

『うそうそ。ママがあげたかっただけやから、いいねんで。』

と、すぐに慌てる彼をなだめた。

しばらくすると、息子は手に持っていた漫画をパタンとおいて立ち上がり、私を見ながらこちらのほうへやって来た。

『?』

よくわからない笑みを浮かべながら、両手を大きく広げたかと思うと、食卓の椅子に座っていた私に無言でハグをしてくれた。

 

マ『え?何これ?まさか、お返し?』(笑)

息子『ふふふ。』(笑)

 

母&弟のやりとりに娘、爆笑。

 

 

息子の将来が不安になった。