朝方人間の始まり
珍しく昨日は少しセンシティブな気分であった。
学生時代からの付き合いでとても気の合う友人がいるのだが、その人が私が知っていたよりも、はるかに世で活躍している人間となっていたということを知り、とても感動し嬉しかったのだが、かつての、あーだこーだと一緒に作業をしていた時を思うと、少し取り残されたような気がしてしまい、ほんの少しだがものさみしいような気分になっていたのだ。しかし、だからといって、そのままひたすら自己嫌悪に陥り凹んでいくような繊細さは私にはなく、夕食を食べながら子供たちに宣言した。
『とりあえず、もっと勉強しようと思う!!欲を出して英語も勉強しなおしたいっ!!だから、今日から夜も勉強する!』
と。まずは自身のスキルアップを計らねばとわたしは考えたのだ。
すると、すかさず娘が
『なんでもいいから、11時には寝てや!』
と予想だにしていなかったことを言い出した。
母『え?11時?寝るの?そんなん無理やん。勉強どころか、全然無理。寝れる気すらしーひん。』
娘『ママは夜更かしするから、朝おきれへんねんやろ!ゆってるやん!早く寝ぇやって!勉強は朝にして!』
母『ええ!?でも、なんだがんだで朝起きてるで?』
娘『誰のおかげやっ!しかも、夜更かししてたら、朝寝起き悪いし機嫌悪いし!!』
母『!!でもちゃんと起きてるで!寝起き悪くても朝ごはん作ってさ、玄関まで送ってからも、外まだ暗いし危なくないように窓から見送って手もふってるやん!結構頑張ってると思わん?』
娘『半分以上寝てる顔しながらやろっ!!!!動いてるけど起きてるんか怪しい時あるわっ!!バレンタインにこんな言って悪いけど!!』
母『ほんまやわ!!!ママは今日のバレンタインにお茶もらえるかなってこないだからちょっと浮かれてたのに、何もないしっ!!こないだお茶がどうこう言ってたから!』
娘『あはははは!あほや。ごめん、今年は一緒に作ったし、なしやわあ。』
母『ひどっ!!!!!』
娘『ひどいって言っても朝のママよりましやしな。いいから早く寝てって言ってるねん!今日は11時に寝てや!?』
母『えええ!?無理やって!せめて12時にして。』
娘『12時って思ってたら、絶対ママは1時になるやろ?だから11時に寝るって思って!わかった!!?』
しれーっとしながら、ひたすらもぐもぐとご飯をたべる息子の横で、もはや一体どちらが母なのかわからなくなるような言い合いとなった。あまりのエネルギーのぶつかり合いで、母のセンシティブな気分もポジティブな気合いも少しの不満も全て、娘のここしばらくの鬱憤と正論からなる怒号により一掃されてしまったようだった。
どう考えても彼女の言い分が正しいと考えた私は昨夜は11時は過ぎたもののできるだけ早々にふとんに入った。なかなか寝付けなかったのだが、最後に時計を見たのは12時半くらいでいつもよりずっと早くに寝てしまった。
今朝、私はなんと目覚ましより前に目が覚めた。それどころか、娘よりも先に目が覚めたのだ。一人台所で朝ごはんを作りながら、いつもと違う自身の頭の爽快具合に浮かれてしまった。なるほど朝方人間はこんなにも起き抜けが軽やかなのかと感動した。
娘が起きてきて、これ以上ないくらいのドヤ顔をしてみせた。
母『貴女のおかげで、ママ今めちゃ爽やかいい気分。』
娘『やろ??だからゆったやん。まあ、続くようにがんばって。』
我が子ながら、よくもここまで母をわかっているなと感心した。
続くように、今日も早くに寝ようと思うので、これにて失礼いたします。
おやすみなさい。