i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

昆虫すごいぜ!

昨夜、1日遅れの節分を楽しんだ後、食卓で携帯電話をさわっていると、ユーチューブのおすすめ動画に何故か俳優の香川照之氏の『昆虫すごいぜ!』なる番組の動画が現れた。たしか、香川さんはこの間のドラマで面白い弁護士をやってたよな?と娘と言いながら動画を見ることにした。

我が家では日本のテレビ番組が見れず、普段あまり動画もみないので、いつも、日本で放送し終わって半年から一年ほど経ってる番組を動画サイトのおすすめ欄や友人達からの薦めで知っては子供たちと楽しむのだ。昨夜もそういったいつもの気まぐれのような感じでその昆虫番組にいきついたのだ。

私と息子は昆虫、虫が大嫌いで、息子にいたっては動物すら大嫌いである。香川照之氏がカマキリの被り物を纏い現れた瞬間、息子は漫画を片手にドロップアウトした。私も昆虫は嫌いだが、香川氏が好きだったので、娘と二人でその番組を見続けた。

その番組は、とにもかくにも香川氏の昆虫愛からできており、もうその昆虫愛の暑苦しさたるや尋常ではない勢いであったのだが、基本的に周りに暑苦しい人間が多いせいか、私&娘は彼の熱弁ぶりに大歓喜し、終盤ではすっかり昆虫ファンになるくらい、およそ二時間『昆虫すごいぜ!』をユーチューブで見あさった。

もうすっかりいつもの就寝時間がとっくにすぎていたことに気付いた私は、

『もう、こんな時間やし、もう寝やなあかんやん!』

と娘に言った。すると、娘はガバッと両手をカマキリのように上げてポーズを決め

『昆虫!!?』

と、私に振ってきた。すかさず同じくポーズをとり

『すごいぜ!!!』

と私も娘に答えてしまい、母娘でお互いのノリの良さに笑いあった。

そこから我ら母娘は何かのスイッチが入ったかのように、就寝用意をしながら隙あらば

『昆虫!!!?』

『すごいぜ!!!!』

をポーズ付きで何度となく繰り返した。

時折お互いの手の角度や、タイミングをダメ出しし合いながら二人でゲラゲラと笑った。

すぐ横で息子がひたすら無言で漫画を読みながら不快そうな顔をしていたので、ちょっとは仲間に入りたいかなっと思ったので、息子の前へ行き、娘と二人で

娘『昆虫!!!』

私『すごいぜ!!!!』

とポーズを決めた。

瞬間、

『あっち行けぇ~!昆虫どもがぁぁ~

!!』

と息子にあり得ないくらいキレられた。

しかし、可笑しなスイッチが入ってるカマキリポーズの我々二人は、自らを昆虫と罵倒されたことに対し、いたく感動、

『日本語が上手くなったよなー!』

と息子を誉めた。

今でこそわかる。彼にとっては相当うっとうしかったであろうと。

ベッドへ入った二人に『おやすみ』の代わりに

『昆虫!』

と小声で振ると

娘『すごいぜ!!』

息子『すごくないっ!!』

と返事がきた。

電気を消して立ち去ろうとすると、娘が

『あ、ママ。明日、国語のテストやから。朝に起きて勉強するから、朝ご飯用意しといてな。』

と言ってきた。びっくりした私は

『え?まって?カマキリごっこしてる場合ちゃうかったやん!』

と娘に返すと、

『私も今日は夜勉強するつもりやったんやけどさー。あんまり面白いから。まーテスト勉強は朝にしたらいっかなーって。』

『………。』 

カマキリごっこの共犯である母からは、『勉強せんと、何しててん!』と強く言えるはずもなく、

『とりあえず、がんばって早起きしてな。』

とだけ伝えた。

 

今朝、珍しく6時頃に目が覚め、食卓をのぞくと、食卓にて一人で勉強する娘がいた。昨日のカマキリ娘とは別人かのようだと思えた。

しかし、娘が学校へと向かう時間となり、玄関まで送っていくと、彼女はマンションの階段を降りながら、いつもの『いってきまーす!』ではなく

『昆虫!!!』

と、再び昨夜のカマキリポーズで振ってきた。

もちろん、

『すごいぜ!!!』

とポーズを返した。

 

国語のテストは期待しないでおくとする。

 

 

 

参照 :

香川照之氏『昆虫すごいぜ!』

https://youtu.be/mfu6YN32Gyg