i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

面談


f:id:i-chi-tora:20190130070137j:image

昨日、主人の誕生日会を企画していたのだが、タイミング悪く娘の中学にて、先生と保護者の面談が実施されることにもなっていた。

 

面談というと、日本では担任の先生と保護者と生徒をいれた三者面談が一般的であったように思う。しかし、他の中学はどうか知らないが、娘の通う中学においての面談は少し違う。

学年によって実施される日時が違うのだが、指定された日時に学校へ行くと、受付で小さなプリントを渡される。そこには全ての教科の先生20名弱の名前とその名前の横にランダムに教室番号が書かれているのだ。我々保護者はそれをもとに、書かれている番号の教室で待機している先生達に会いに行くというシステムだ。そう、担任の先生との面談ではなく、全教科の先生との面談なのだ。面談は強制ではなく任意なのだが、ほとんどの保護者が複数の先生達に会いにいく。子供の得意教科をメインに先生を訪ね歩く人もいれば、苦手な教科をメインにする人もいたり、各ご家庭の考え方によって行動が変わってくるのだが、一人の先生につき10分程話すにしても、あちらへこちらへ教科ごとに教室を移動しなければならないのだ。

私も他の保護者の方々と同様に指定された昨日の夕方に学校へと向かった。生徒の参加も任意なので娘は面談に参加せずに母をおいて先に帰っていると言っていたのだが、思いの外、彼女の友人達が面談に参加したり保護者を待っていたりで学校にいるということを知り、自分も残って校内で友達と遊びながらママを待っておく、と言い出した。私としては、どちらでもよかったのだが、自宅で主人と息子が娘の帰宅を待っていたので、まだ帰らないならちゃんとパパ(主人)に連絡しておくようにと伝えた。娘が居残ることを認めはしたが、昨夜の夕食は主人の誕生日会ということで、たこ焼きパーティーをしようと企画していたので、できるだけ早く帰りたかった私は、主人との電話を切ってから友達と遊ぼうとした娘に

『ママは即効で終わらせて、さっさと帰るからそのつもりで!』

と念を押し、さっきもらったプリントを見ながら教室のある階上へと上がっていった。

ちらちらと周りを見ると所々の教室前で順番待ちをして並んでいる保護者の列が見えた。もうすでに並んで待っている状態かと、これはまずいと足早に目的の先生のいる教室へと向かった。向かった先は国語の先生と社会の先生であった。幸いにも、社会の先生と国語の先生は隣あった場所で待機されていて、他の保護者の方々が誰も面談に来られてなかったので、どちらもさほど待つことなくもなくスムーズに面談をしてもらえた。

苦手な社会の先生との面談は、娘の普段の授業態度を伺った後、先日にあった歴史のテストを欠席した話から、普段の娘の真冬にTシャツというバカみたいな薄着の格好について盛り上がり、『今後授業中に薄着をしていたら容赦なく叱ってやってください。』と頼んでおいた。

その後、これまた苦手な国語の先生とは、普段の授業態度について伺ったほか、『うちの娘はわかった顔をしてる時ほどわかってないことが多いので騙されないよう、お気をつけください。』と伝えておいた。

二人の先生と話した後、廊下へ出ると教室前に数人の列ができていて、辺りの他のクラスを見ても、どこの教室にも4~5人ほどの保護者が面談のため並んでいた。廊下に並ぶ保護者の方々を見ながら、どの先生に会いに行こうかと考えた。

しかし、さらに深く考えた。そもそも行く必要あるのか?と。息子ならいざしらず、幸い娘はわりと真面目に授業をうけているはず…成績が一番やっかいな社会と国語はもうクリアした…まだ中学の前半で進路も深くは関わらない…おまけにフランスの成績表には各教科ずつ先生のコメントが数行に渡りかかれているし、成績表はこの間もらったばかり…あれこれ話しをして一体今後なにが変わるのだろうか…と面談の必要性に疑問が生まれてきた。さらにダメ押しで頭をよぎったのは『今夜は誕生日会"たこ焼きパーティー"』…これはもう帰るしかないなと思えてき、考えるのをやめて一人早々と階下へと降りていった。

中庭に面する廊下のベンチで娘がクラスの友達とトランプをしていた。予想をはるかに上回る早さで現れた私に娘がギョッとすると、

『◯◯ちゃんのお母さんはまだ面談にいってて、今わたしが帰ったらこの子は一人になる!』

と言い出した。そんなこと言いながら、まだ残って遊んでおきたいんだろうよと私が考えたとほぼ同時に、そんな母の心を瞬時に読み取ったのか、娘が走って逃げ出した。

『ちょっと他の先生のところで、暇そうな先生がいてるか探してくる!』

と、あろうことか母を先生に押し付けようと画策し、友人と私を残し娘は階上へと消えていったのだ。

私は『ちっ!逃げられた!』と思いながらもいい考えが閃いた。自分で言うのもなんだが、なぜだか娘の友人達は皆とても私に対し友好的で、嬉々として私とも色々と話してくれる。なので、娘のいないのをいいことに、その残された友人に娘の学校生活を色々聞いてやろうと思いついたのだ。

娘の友人は、我が娘は授業中は真面目だけど発表する時は声が小さくなるとか、算数は余裕そうな顔して聞いてるとか、あとはそれぞれの教科の先生の話までしてくれたり、学食での話をしてくれたりと、彼女と私は共通の娘という人間をメインにしながらたくさんの話をした。私としては実に有意義な時間であった。

しばらくしてから、娘が戻ってき、

『余計なことしゃべってたやろ?』

と言われたので

『そりゃまあ色々。実は今は◯◯ちゃんとの面談の時間やったからな。あ、発表する時は声ちっさいと聞こえへんからおっきい声にしいや。』

と忠告すると、しまった…という顔をする娘がいた。

 

結局、その後すぐに娘の友人は両親のいる教室へと向かい、我々二人は主人の誕生日会をせねば!という名目で、潔く他の先生方に会うことなく学校を後にした。