似た者親子
うちの娘&息子は楽器を習っている。娘はバイオリンを、息子はチェロをかれこれ五年ほど続けている。よく、子供たちと一緒に楽器を持って歩いていると『何の楽器をやってるの?』とか『何年くらいやってるの?』と、興味をもった知らない人から声をかけられることがあるのだが、二人がそれぞれ自分の楽器や普段の練習っぷりについて答えると、大体の人は『まあ、音楽一家なのね!』と言い、そして『お母さんは何の楽器を?』と、聞いてくるのだ。その度に私は
『私も主人も音楽は全くわからないんです。』
と、今まで何度となく答えてきた。
そう、我が家に音楽姉弟はあっても、我が家は音楽一家ではないのだ。一体全体なぜにこんなことになったのか、誰に似たのかよくわからないぐらい、うちの子達はそれぞれの楽器にはまっている。大体毎日一時間は練習し、息子に至っては2~3時間と弾くときがある。時折、あまりに機嫌が悪く子供たちがイラつきながら練習するのだが、そんな時、私は
『怒りながらするな!!』
『もう練習おしまいっ!やめてっ!』
『その荒っぽい弾きかた、いい加減にして!』
『いやいやするなら、やめてしまえ!』
等と声を大にして怒り、練習を中断させるのだが、きっと私の話す日本語がわからないご近所の人達は、私のそんな叫び声を聞きながら、
『あそこのお母さん、また練習しろって怒ってるわ。』
『あんなに毎日無理矢理弾かせてまだ怒るなんて!』
とかなんとか思ってるんだろうなと想像すると若干理不尽さを感じてしまう。
昨日、娘の体調不良によりいつものオーケストラの練習に参加できなかった息子が家でチェロの練習に励んでいた。
昨日の日記で息子のボケたおしてる勉強っぷりをこっそり公表したことを考え、たまにはまともなところも公表しておいてやろうと思い、こそーっと背後から息子の練習シーンを録画した。
弾き終えた後すぐに撮影に気づかれ、
『ああ!ママ、勝手に撮ってたん!?も~!』
と言われた。
『ごめんごめん!がんばってたからさ。』
と口で言いながら、しめしめと思っていると、背後から
『あははははは!』
と、娘が吹き出した。
彼女の手にはi-Padがあった。
『ママもがんばってたからさー。』
と、i-Padの画面を見せられ、見ると
隠し撮りする私の姿を隠し撮りされていた。
ほんと、ろくなことしない母娘……