i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

素敵な時間

『おくれる~っ!!』

と、朝から自宅のある四階から猛スピードで階段をかけおりた。

重たく古い大きなドアを開け歩道へ出ると、一目散にバス停へと走った。交差点の向こうにバス停が見えると同時に背後のほうで、バスが近づいてくる音が聞こえた。

(やばいっ!これに乗れないとまずいっ!!)と思ったが、目の前の交差点の信号が赤になり、後ろから追い付いてきたバスが私の横で停車した。チャンスと思い赤信号を無視して交差点を渡り、バスが停車してる間にバス停へとダッシュした。後から追ってきたバスとほぼ同着にバス停につき、無事にバスに乗り込めた。

呼吸を整えながらポケットからバスのチケットを取り出し、運転席横にある機械に差し込んだ。ガチャンと日付と時間が刻印され、チケットを引き抜きバスの後方へと進んだ。他の乗客も乗り込みドアが閉まり出発しようとした瞬間、

『おーーー!元気してたかー!?』

と、対向車線の向こうで工事をしていたムッシュ(フランス人男性)がバスの運転さんに手を降りながら叫びだした。

それに気づいた運転手さん、運転席の窓から手をあげ、

『おーー!!久しぶり!!何してるんだ!!?』

と話し出した。

 

(何してるもなにも、工事してるんやろ。そして、貴方は運転中のはずー。)と、心の中で突っ込んだ。車道で仕事をほったらかし、ゲラゲラと笑い会う二人。あまりに楽しげな二人の空気にツッコミはするが怒る気にもならず、無人のコンビニシステムが普及しだした日本と比べると果てしなく田舎っぽいが、どちらがいいかはわからないなと思えた。なんとも人間くさい素敵な時間に立ち会えて、朝から気分が良くなった。


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バスを降りてから再び走る羽目にはなりましたけどね。