万物との対話
学校が終わり、息子がトイレにいきたいのを我慢しながら帰って来た。帰るやいなやトイレに駆け込む。
『は~!!最高~!!!』
『もう、ほんま好き!愛してる~!!』
と、叫ぶ息子。
初めて息子から聞くセリフにぎょっとし、
『今のって、トイレにゆったん?』
と、トイレから出てきた彼に聞いた。
用を足し終えスッキリ気分の彼は、当たり前だと言わんばかりににこやかにうなずいた。
『そんな言葉は初めて聞いた。』とか『どこでそんなの覚えた』とか『そもそも、それトイレやで』とか色々言いたいことが瞬時に沸き起こったのだが、何一つ言葉にならなかった。
しばらくし、気をとりなおして夕食前にもう一度聞いてみた。
ママ(私)『さっきさ、大好き~愛してる~!ってゆってたのって、トイレに言ってたん?よな?』
息子『え?……いや…』
テレる息子に、
『トイレやで?そんな好きやったとは知らんかった。』と伝えると
『え、まあ、、、うん。ふふ。』はにかむ息子。
(はにかむな!!照れて言っても相手トイレやから!!)
っと心の中で叫んだが、あまりに嬉し恥ずかしそうなんで、愛想笑いで流しておいた。なにより、マトモにやりあえる気がしなかったのだ。
夕食後、若干暗い(まだスイッチが壊れてる)浴室で娘がシャワーをしながら文句をいいだした。
娘『ちょっと!?なんで身体洗うクリームこんなでーへんの!?なに!?』
ボディシャンプーが何やら容器から出てこないらしい。
ママ『??もうなくなったん?まだ入ってたよな?』
娘『入ってるよ!入ってるのにでてこーへんの!!』
『蓋がなんかおかしいねん!』
『なんでこんなでーへんのよ!!』
『なに!?』
『もうっ!!!』
と、徐々にキレだしてきたので、
マ『そんな怒られても、ママが出さへんのじゃないんやし、あたられても…』
というと、
娘『わかってる!!ママにはゆってないやん!これにゆってるねん!!このクリームにっ!!!』
と叫ばれた。
(ボディシャンプー相手に話してるのだと、自分が言ってるのわかってるのか?)と思いながら、絶句するしか術はなく、かろうじて
『あ、そう…』と呟いた。
息子に引き続き、娘までもが物体(?)と会話とは、言葉にならなかった。わりと最近まともだった分、彼女のこういうわけのわからない返答は母にはかなり堪え、昨夜は、『なぜに、うちは二人ともああなんだ?』と考えた。考えようが答えがでるはずもなく、思考を停止させ眠りについた。
トイレに好意を抱く息子とボディシャンプーにキレる娘
そんな子に育てた覚えはないのだが…