i-chi-tora’s ura-diary 一虎裏日記

"王様の耳はロバの耳"よろしく、徒然なるままに憎らしくも可愛い娘&息子の愚行を愛をもって暴露していくことを中心とする裏日記

天才なのか変人なのか

本日、朝10時過ぎ、息子に起こされた。

昨日は一日外出だった上、夜中までパソコン作業におわれて寝たのが深夜遅くだった私は息子&娘が起きてようが気づかずに深く眠っていたのだ。

息子『ママ!起きや!!ほら、起きやな!』

マ(んー…昨日遅かったから、まだ寝たいのに…)

息子『ママ!起きな!明日学校やで!!』

マ(………明日の学校…それ、今いそがんでいいやろ…せめて、今日の話をしてくれ…)

聞かなかったことにして、もう一度布団に埋もれたかったが、しかし、(なぜに明日の学校を今ゆうか)とか(明日は何も予定ないよな)とか考えだしてしまい、微塵の爽やかさを持たずして目が覚め、起きることになったのだ。
今日はさして予定もなく、娘&息子共々ゆっくりできそうで、日記も書けずに終わった慌ただしかった昨日を思うと本当にありがたい。

我が家は毎週土曜は特に忙しい一日なのだ。娘は朝早く起き午前中は学校へ、旦那さんは仕事へ行き、昼前に息子&私が家を出発し、お昼頃に学校後の娘と待ち合わせてバイオリンとチェロの教室へいき夕食前に帰宅する。
昨日もいつものように、娘と旦那さんが家を出て、それから息子と二人で出かける用意をした。姉のいない時の弟とは、うまく誘導してくれる人がいないからか、遊び相手がいないからか、手持ちぶさたになるのだ。そんな彼と、出かける直前のあわただしく動く母とでは、もはや流れている時間の速さが違うように思う。川の深いところは速く水が流れ、岸のすぐ横の浅瀬はゆるやかに水が流れている。速度のイメージとしては、それぐらい違うだろう。
慌ただしく私が出かける用意をしている横で着替えが終わったのに靴下を履かずうろうろとする息子がいたので早く靴下を履くように促した。しばらくして見ると、まだ靴下を持ったまま振り回し履いていない息子。『もうすぐ家出るから、早く靴下履いて!』というと、怪訝そうな顔で聞いてきた。

息子『靴下ってなんで靴下なん?』

(オーマイガッ!このくそ忙しい時にややこしいのがきた!!)流れの速い川に巨大な岩が落ちてきたような瞬間だった。

息子『(靴の)下じゃないやん。上やん。中?』

(たしかに、ごもっとも!間違いない!でも今は無理!)
『でも、(靴の)下に履くわけにいかんし、まず靴下履こうか?』

時折ナイス補佐官に変化して息子を導いてくれる娘がいないので、いかに早くこの話題から離れるか考えた。が、何気に息子のわけのわからない質問シリーズは答えが難しい。なので、『靴下』を考えた人に罪をかぶせるかのように

『たしかに、靴下じゃなくて、靴の上やんなー。おかしいよな。なんでそんな名前にしはったんやろな。』とすっとぼけた。

己の疑問がまっとうだと理解したのか、なんとか靴下を履いてくれた。

しばらくすると、

『ママ!見て見てー!挟まった!!!』
f:id:i-chi-tora:20181112063751j:plain

自身のチェロと娘のバイオリンの間で嬉しそうな息子に何をどうつっこんでいいのか、あまりのわけのわからなさに慌ただしかった私の時間は無理やりにストップさせられた。

『……とりあえず…記念に撮っとくわ。』
と伝え、出かける用意ができてたはずの鞄から携帯を取り出し写真に納めた。

もちろん挟まったのではなく、間に入っていっただけなのだが、弦楽器をこよなく愛する彼は自作自演とはあれ、両手に花で

息子『挟まっちゃったねー』『あ、こんどは左足だけがっ!』とか言いながらポーズを変えて一人楽しんだ。

川の流れは息子という隕石により完全にストップした。完全に我を失った母は、息子の嬉々としたその姿を動画に撮らなかったことを悔やむぐらい急ぐことを忘れた。

しばらくして気を取り直し、大慌てで家を出るも遅刻。娘から、『まだ?』『どこ?』とかなんとかのメッセージが携帯に次々に送られてくる。朝一から学校へ行き、そのまま夕方まで習い事をこなす多忙な彼女に、よもやこんな馬鹿げた写真を撮っていて遅れたとは言い出せなかった。

夕方、バイオリンとチェロのレッスンを受けた後の帰り道、帰る方向が一緒になった息子が慕っている友人に今朝の『靴下論』と先日の『バナナとリンゴ』の話をすると、

『たしかに、最近の彼は天才に磨きがかかってきたよね。哲学者みたいだよね。』
と笑いながらも丁寧に答えてくれた。楽器に挟まれ(?)悦に入っていた息子の別話は、娘にひきつづき、伏せておいた。


天才と変人は紙一重…ここ最近よく思うのがこの言葉。

どうか天才でありますように。