息子と動物
起き抜けに、息子からの質問
『ママ、クラゲって毒があるの?』
マ(私)『あるよ。刺されたら痛いし、すごい強い毒をもってたりもするよ』
若干寝ぼけながらも返答すると、息子も『ふーん、そうか』と納得した様子だった。
台所で、朝ごはんを作りだそうとすると息子から質問
『ママ、クラゲって毒あるの?』
マ『(?)刺されたら痛いし、すごい強い毒もってたりもするよ。』
さっきゆったよな?????
『へー、そうかー』と息子はいいながら、納得したのか離れていった。
しばらくして、朝ごはんが出来上がりかけたところで息子がまた来た。
『ママ、クラゲって毒あるの?』
マ『!』
またかっ!!!!!
『さっきゆったやん!!』
息子『はははー、そなんやけどなー。』
訳のわからないクラゲ質問を3回受け意味がわからない気分になってると、娘から
娘『ママ、私も二回(クラゲ質問)言われたから(大丈夫)。』
となだめられた。
『~言われたから。』て、なんやねんそれ。
と心の中でつっこむ。
しかし、こんな事ぐらい日常茶飯事。リアル朝飯前。
なので深く言及せずに、朝食をとった。
朝食後、娘&息子がフランスの小さな子供がするカードゲームをしだした。
一人がカードを一枚とり、カードに描かれた絵が何かを、相手にジェスチャーで伝えて当ててもらうゲームだ。
息子『じゃあ、これはなんでしょう!?
ブーブーブー…』
とかなんとか仲良くキャッキャいいながら遊んでいる声が、台所で朝ご飯の洗い物をしている私にまで聞こえてき、なんとも和やかな気分になった。
…のも束の間、娘がすごい勢いでこちらにきた。
娘『こんなん、わかるわけないっ!!!ママこれ当ててよ!』
言うやいなや、四つん這いになり
娘『ブーブーブー』と言いながら進み出した。
マ『え、ブタやろ?』
娘『と思うやろ!!?ちがうねんて!!!』
息子『ゾウやん。』
娘&ママ『なんでやねん!』『なんでやねん!』
『鼻ないやん!鼻!鼻!鼻がいるやろ!』
『パオーンやし!』
『ブーはブタやん!ちゃうやん!』
非難轟々のなか、息子は
『ハハハ。そう?』
と、そんなおかしいかと言わんばかりににこやかに笑う。
その後も、笑いとツッコミと非難が交錯する当たりようのないジェスチャーゲームが繰り広げられた。
クラゲ質問といい、彼の動物に対する頓着のなさを再認識し、数年前にフランス語の先生が息子にボキャブラリーを増やそうと動物のカード遊びをしていた時に匙を投げたことを思い出した。
『彼と動物の単語遊びをしても無駄だね。きっと彼の生活にはウサギもゾウも必要ないんだよ。今覚えても、明日には脳から消してるから、今はやめておこう。』
といわれたのだ。
うちの子をバカにしてるのか?教える気がないのか?という人もいるかもしれないが、当時の私は
『おお!この人うちの子よくみてる!』
と納得したのだ。
なぜなら、息子は死ぬほど動物が嫌い。
怖いのか何故なのか知らないが、
物心ついた頃から寄り付かない触れないどころか、視界にも入れない。直視しない。
祖父に『カマキリってみたことある?』ときかれ、
『あーあの青虫ね』と答えるぐらい、彼の脳内の動物のデータは少ない。
しかし、今まさに、必要。
たわいもないカードゲームだが、このままじゃゲームにならない。笑いとツッコミでどうしようもなくなってる。
もうすぐ10才。
そろそろ彼にも、ウサギの耳は長いってことくらいは覚えてもらおうかと、
娘の必死なツッコミ姿を見て思った。
※ 追記
息子=来月10才、
動物嫌い、故に動物に関する記憶微量、
電車大好き、故に電車に関する記憶過多、
チェロ大好き、むしろ愛、故に絶対音感アリ